ふるさと納税、意外な事実とは?
アンケート結果からわかったのは
「実は特産品の中身よりも共感が重要」だった

【第118回】2014年4月11日公開(2017年12月12日更新)
保田 隆明

リピーター、共感者の方が納税額は大きい

 まず、東川町の株主制度がどの程度オトクなのかを整理しておく。1口1000円からこのふるさと納税のもと株主になることができるが、10口1万円以上を寄付した株主には、初年度に5000円相当の東川町土産が送られてきて(希望者のみ)、翌年度には株主優待制度のもと東川町の特産品(1万円以上の寄付で2500円相当、3万円以上の寄付で約5000円相当、5万円以上の寄付で約7500円相当)が全員に送付される。

 例えば、1万円を投資(寄付)した株主の場合、税額控除を受けると実質負担額は2000円となるが、初年度に5000円相当、翌年度に2500円相当の特産品を受けとることができるため、5500円オトクになる。また、特産品以外の優待制度も存在し、まとめると表のとおりである。

 株主の居住地は北海道が5割弱である一方、約3分の1は関東圏在住者であった。また、初めて株主になった人と、リピーター株主とで納税金額を比べると、リピーターの方が高くなっていた。これは初回の人たちの一定割合は「お試し」で行っているであろうこと、また、リピーターは東川町の株主制度を気に入ったからこそリピーターになっているであろうことを想像するに納得のいくことである。

 一方、興味深いのは、東川町の場合、株主は一部の特産品を受け取らないという選択をすることができるのであるが(先の表中の特典②)、受け取らないと選択をした人たちの方が特産品をすべて受け取る株主よりもふるさと納税の金額が高くなっているのである。もし株主(ふるさと納税を行う個人)が特産品のオトクさを最大のモチベーションにかかげるのであれば、特産品をすべて受け取ると選択する人の方が一部の特産品を受け取らない人よりも納税金額は高くなりそうなものである。

 しかし、結果は逆であった。これは、ふるさと納税においては、モノよりも共感力や想いの方が納税額を引き上げる効果があることを示唆する。

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町のファンと特産品目当ての二つのグループが存在

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