本来、「プライオリティ・パス」を発行してもらうためには、年会費が最高で429米ドル(約4万7000円)必要です。しかし、一部のクレジットカードでは無料で「プライオリティ・パス」を発行する付帯サービスがついています。以前から「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」でも、通常より安い年会費で「プライオリティ・パス」を発行してもらえました。しかし、安いといっても年99米ドル(約1万円)はかかっていました。そのうえ、ラウンジを1回利用するたびに、32米ドルの利用料もかかり、はっきりいってそこまでお得感はなかったのです。

 しかし、今回の改定によって「プライオリティ・パス」の年会費は無料になり、家族会員も無料で登録できるようになりました。利用料は年2回まで無料。3回目以降は32米ドルを支払います。完全に無料になったわけではないとはいえ、年会費が無料になったわけですから、「旅行はごくたまにするだけ」という、ラウンジを使う可能性がそれほど高くない人でも、持っておいて損はありません。

③【改定前】「ダイニングサービス」の年会費3万5200円(税込)
→【改定後】「ダイニングサービス」の年会費が無料に

「ダイニングサービス」とは、アメリカン・エキスプレスと提携する国内外の約200のレストランで、所定のコースメニューを2名以上で予約すると、1名分が無料になるというもの。アメリカン・エキスプレスのみならず、プラチナカードなどのステータスカードでは今やおなじみのサービスです。

 改定前は3万5200円(税込)の年会費が発生していましたが、改定後にはそれが無料になりました。あまり外食しない人には関係ないかもしれませんが、家族や恋人、友人とよく外食する人や接待で複数人と会食をする機会がある人にとっては非常にありがたい改定です。このサービスこそ「大切な方とのかけがえのない体験を楽しめる」というコンセプトにあう特典と言えます。

 サービスを利用できるレストランは一流店ばかりなので、普通に食事をすると、1人あたり1万~2万円かかることもザラです。そのため、一度でもサービスを利用すれば、年会費3300円が値上げされた分など、簡単に回収できてしまいます。言うまでもなく、何度も利用すれば、何万円という単位で得をするのです。

④【改定前】プラチナカード限定の「プリファード・ゴルフ」
→【改定後】ゴールド会員も無料で「プリファード・ゴルフ」に登録可能に

「プリファード・ゴルフ」とは、世界70カ所以上のアメリカン・エキスプレス提携ホテル(現時点で対象ホテルはすべて海外)に2泊以上宿泊した場合、ホテルが契約するゴルフコースのプレー代(1ラウンド/1名分)が無料になるプログラムのことです。

【※編集部 追記】
「プリファード・ゴルフ」の特典は、2021年6月に終了しました。

 以前は、アメリカン・エキスプレスのプラチナカード会員向けサービスで、ゴールドカードや一般カードの会員だと、年会費295米ドル(約3万円)がかかりました。しかし、改定後はゴールド会員も無料で登録できるようになり、ゴルフのプレー代を安くあげることが可能になりました。ゴルフが好きで、世界中のゴルフ場に足を運んでいるような人には最適のサービスです。

 ここまで、「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の改定ポイントをご紹介してきました。まったく新しいサービスを追加したわけではなく、既存のサービスの利用にかかるコストを削減した形ですが、改定によって浮いた各サービスの年会費は、合計すると8万9000円にもなります。

 この金額から考えても、アメリカン・エキスプレスが下した決断は大きいものだったといえます。また、改定されたサービス内容を見ても、値上げ幅以上のお得さがあり、ユーザーの利便性は確実にアップしたと言えるでしょう。

 前述のように 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の改定は、9月に実施されたばかりですが、アメリカン・エキスプレスはステータスが高いゴールドカードやプラチナカードの老舗なので、今回の動きはクレジットカード業界全体のサービス拡充の動きに拍車をかける可能性があります。

 つまり、「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」のサービスをある種の基準のようにして、ゴールドカードやプラチナカードのサービスの見直しを図るクレジットカード会社が今後増えてくるでしょう。

「プライオリティ・パス」で使える空港のVIPラウンジは
一流ホテルのようにラグジュアリーな“くつろぎの空間”

 今回の「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」のサービス内容の変更を見てもわかるように、ゴールドカードやプラチナカードの付帯サービスで、まず注目したいキーワードは、「プライオリティ・パス」と「ダイニングサービス」です。

 どちらのサービスも、今やステータスが高いクレジットカードでは標準装備になりつつあり、ユーザーとしても付帯していたほうがベターであることは間違いありません。そこで今回は、まず「プライオリティ・パス」が付帯しているゴールドカード、プラチナカードについて、説明していきたいと思います。

 前述のように「プライオリティ・パス」とは、空港の有料VIPラウンジが割引、もしくは無料になるカードです。カードといっても、決済機能はありません。単体で申し込むこともできますが、クレジットカードの付帯サービスとして発行してもらうケースが大半でしょう。発行しているのはプライオリティ・パス社。香港、ロンドン、ダラスに拠点を置く外国の会社です。

 ひと口に「プライオリティ・パス」といっても、次のようにランクが3段階にわかれています。

【①スタンダード会員】
・年会費:99米ドル
・会員利用料金:32米ドル    
・同伴者利用料金:32米ドル
※年会費が安いタイプ。ラウンジ使用時には、割引価格で利用が可能です。

【②スタンダード・プラス会員】
・年会費:249米ドル    
・会員利用料金:10回まで無料、その後は32米ドル
・同伴者利用料金:32米ドル
※スタンダードプランに加え、ラウンジ利用10回分がセットになったプラン。

【③プレステージ会員】
・年会費:429米ドル    
・会員利用料金:すべて無料    
・同伴者利用料金:32米ドル
※利用回数は無制限に無料なので、頻繁に旅行する人向け。

会員ランク 年会費 ラウンジ利用料金
スタンダード会員 99米ドル
(約1万円)
1回につき
32米ドル(約3200円)
スタンダード・プラス会員 249米ドル
(約2万5000円)
年間10回まで無料。
11回目以降は1回につき32米ドル
プレステージ会員 429米ドル
(約4万7000円)
年間何度でも無料で利用可能


 ゴールドカードやプラチナカードのサービスとして発行される「プライオリティ・パス」は、基本的にプレステージ会員だと考えてください。

次のページ

ゴールドカード、プラチナカードのお得な付帯サービス「プライオリティ・パス」は、具体的にどういう使い方ができるのか?

TOP