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「Apple Pay+Suica」が世界標準になる日も近い!?アップル社も注目の日本発の電子マネー「Suica」は世界の交通系ICカードのスタンダードになれるか?

【第36回】 2017年6月28日公開(2022年3月29日更新)
岩田昭男
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「Apple Pay」の日本初上陸から約8カ月が経過…
改めて「Apple Pay」とは何かを復習!

 「Apple Pay」が2016年の秋に日本に上陸して、約8カ月が経とうとしています。

 おさらいすると、「Apple Pay」とは、「iPhone」などのアップル社の端末で決済ができるサービスのこと。言ってみれば、「おサイフケータイ」の「iPhone」版です。「おサイフケータイ」は「Android」のスマホ、またはガラケーでしか利用できません。その利便性は知られていながら、「iPhone」は蚊帳の外だったため、長年悔しい思いをしていた「iPhone」ユーザーが多かったのです。

 おサイフケータイ対応の端末には、非接触ICカード技術の「FeliCa(以下、フェリカ)」が搭載されており、フェリカ対応の電子マネー(Suica、楽天Edy、nanaco、Waon、iD、QUICPayなど)をスマホに入れて使うことができます。

 このフェリカの技術はソニーが開発したもので、日本のローカル規格です。日本中至るところに、フェリカの読み取り端末は設置されていますが、海外ではほとんど見かけることはありません。そのため、グローバルスタンダードの製品の提供に一貫してこだわってきたアップル社にそっぽを向かれ、長らく「iPhone」にはフェリカが搭載されず、スマホ決済もできなかったのです。

 しかし、2016年9月に発表された「iPhone7」「iPhone7 Plus」「Apple Watch Series 2」にフェリカが搭載され、「Apple Pay」が導入されたことで、ようやく「iPhone」ユーザーもスマホ決済ができるようになりました(※ネット利用時に限っては「iPhone6」や「iPad」などの旧端末でも「Apple Pay」を使えます)。

【※関連記事はこちら!】
⇒Apple Payに登録できて得するクレジットカードは? iPhoneでクレジットカードや電子マネーを利用して決済できる「Apple Pay」の長所や短所を徹底解説!

「Apple Pay」対応クレジットカードは、全体の8割強に!
ただし、「Apple Pay」の本質は、あくまで「Suicaファースト」

 2016年10月のサービス開始時と比較すると、「Apple Pay」に登録できるクレジットカードは着実に増えており、利便性はますます増しています。

 「Apple Pay」に対応しているクレジットカードは、銀行や信販系から流通系までさまざまです。2017年4月時点では、国内のクレジットカードの86%までもが「Apple Pay」への対応を完了しました。もはや、主要なカードはほぼ網羅していると言っても過言ではないでしょう。以前は、「自分のカードが『Apple Pay』対応なのかどうかがイマイチわからない」といった声も聞かれましたが、今は高確率で対応していると考えてよさそうです。
【※関連記事はこちら!】
Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ!

「Apple Pay」公式サイトより抜粋。
拡大画像表示

 これらのクレジットカードを「Apple Pay」で利用する際は、電子マネーの「iD」や「QUICPay」を経由して決済します。店頭などに置かれた「Apple Pay」の読み取り端末(=フェリカ対応端末)は、電子マネーに対応するもの(非接触型)であり、クレジットカードの読み取り端末(磁気ストライプを端末にスライドさせて読み取る)とは異なっているからです。

 今のところ、「Apple Pay」に対応する電子マネーは、プリペイド式電子マネー「Suica」と、ポストペイ(後払い)式電子マネーの「iD」、「QUICPay」の3種類となっています。

 もちろん、ポストペイ式の2つも便利なのですが、「Apple Pay」で利用する際に最も利便性が高いのは「Suica」です。「Apple Pay」に登録する際も、「Suica」の場合は「iPhone」に重ねるだけで簡単に登録できますし、支払いの流れも一番スムーズです。

 裏事情を少し紹介すると、アップル社はそもそもフェリカと「Suica」に惚れこみ、従来の「グローバルスタンダードの製品を提供する」というポリシーを捨てて「iPhone」に搭載した経緯があります。そのため、現状は「Suicaファースト」の状態であり、言葉は悪いですが、「Suica」以外の電子マネー、及びクレジットカードはオマケのようなものなのです。

フェリカの「ガラパゴス状態」の汚名返上で、
アップル社がフェリカとSuicaの将来を有望視した

 それにしても、アップル社はなぜフェリカと「Suica」に惚れ込んだのでしょうか? 理由は、長らく日本のローカル規格として「ガラパゴス」呼ばわりされてきたフェリカが、2014年あたりから世界で再注目されるようになったことに起因していると思われます。

 現状、世界中の先進国で交通系ICカードが普及していますが、国によってカードの規格は異なっており、カード一枚で世界中を簡単に移動できる状況にはありません。

 しかし、世界経済のグローバル化によって、人々の国境を超えた行き来は、ますます活発になっていくでしょう。そんななかで、より利便性を向上させるために、万国共通で利用できる交通系ICカードがあるべきではないか。そんな議論が高まっています。

 世界には、国際標準規格の非接触ICカード技術がすでにあります。「TypeA/B」と呼ばれる技術がそれです。レベル的にはこれらと遜色はなく、むしろ処理スピードが抜群に速いフェリカでしたが、過去には国際標準規格の取得に失敗しています。

 国際標準規格を取得できた「TypeA/B」よりも、フェリカのほうがむしろ優れている部分も多いため、取得失敗の要因は想像するしかありません。一説では、「処理スピードの速さを重視した規格のため、セキュリティー面で『TypeA/B』に劣るのではと懸念された」「欧米中心の国際機関での日本へのやっかみがあった」などとも囁かれていますが、真偽のほどはわかりません。

 しかし、後にフェリカのセキュリティー機能が万全であることは証明されました。「Suica」の基本技術となっているのは、フェリカです。フェリカの技術は日本中の電子マネーに搭載されていますが、「日本で最も普及している電子マネーといえば、やはりSuica」でしょう。

 「Suica」は日本において、毎日1000万人以上が利用しています。「Suica」のネットワークは世界最大規模であり、それを混乱なく運営できていることで、フェリカは大いに信頼感を増し、国際的に評価されるようになりました。

 このことから、新たにフェリカを国際標準規格に加えようという流れも出てきています。この流れをつぶさに見ていたアップル社は、「Apple Pay」の日本上陸に向けて、ついにフェリカの採用を決断したというわけです。

「圧倒的なスピード」を持つフェリカが世界標準に?
日本のSuicaが「世界共通乗車券」になる日が来る!

 「Suica」側にとっても「Apple Pay」と組めたことはラッキーでした。日本のスマートフォンで5割のシェアを誇る「iPhone」に「Suica」を搭載できれば、利用者をさらに拡大できる可能性が高いからです。

 世界に冠たる「iPhone」に搭載されることは、アップル社からお墨付きをもらうようなものです。これまで国内に限られていた市場は、海外まで拡大し、今後「Suica」が世界中で利用できる時代もやってくると見ています。

 ちなみに、JR東日本は2017年6月の人事で、「国際事業部」を新たに設けたそうです。これからいよいよ「Suica」を本格的に海外進出させていこう、という姿勢の表れかもしれませんね。

 世界の各地において、「Suica」普及の余地はあちらこちらにあると思われます。たとえば、米国のテキサス州など複数の地域では、日本の新幹線の技術を活用した高速鉄道計画が進んでいます。また、東南アジアはイオンなどの日系企業が数多く進出しています。これらの運賃やショッピングの決済に「Suica」が使えるようになる可能性は十分あるでしょう。

 「TypeA/B」の本場であるヨーロッパでも、処理スピードの速さにおいて勝るフェリカに、将来的にまったく目がないわけではないはずです。今後、「TypeA/B」との互換性が確保できれば、海外での市場拡大は大いに期待できます。

 なお、JR東日本およびアップル社の将来的な目的は、世界のどの公共交通機関でも「Suica」が利用できる環境を作ること、「Suica」を世界共通の乗車券に育てることにあります。「iPhone」にパスポートなど旅行や移動に必要な情報を入れておき、「Suica」に電子マネーをチャージしておけば、「iPhone」1台でスムーズに旅をすることができます。

 今後、日本の新幹線の輸出がいま以上に成功したなら、新幹線の導入国が「Suica」を採用する可能性も高いでしょう。交通網を押されられれば、次はエキナカで、そして町で、加盟店をどんどんと増やしていくはずです。そうなれば、世界中の人々が「Suica」を使う未来がやってくるかもしれません。「Suica」が世界の交通系ICカードを制覇するのも、あながち夢物語ではないのです。
【※関連記事はこちら!】
Suica利用者が一番得するクレジットカードが判明! 全国で使えるSuica搭載のクレジットカードの中で、年会費無料+常時還元率1.0%超のお得な1枚はこれ!

 次回は、「Apple Pay」の登場により様相を変えるクレジットカード業界について解説します。

(取材/麻宮しま)

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JCB
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(税込)
ブランド 電子マネー対応
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カード
フェイス

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0.5~7.0%

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(ただし、年100万円以上の
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VISA
Master
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三井住友カード ゴールド(NL)のカードフェイス
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※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトでご確認ください。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。
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3万9600円 AMEX
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【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】
日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。
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