クレジットカードに求められる機能が「正確さ、安全さ」から
「ポイント還元」に変化し、中心的プレーヤーも変わってきた
前回は「クレジットカード業界が『転換の時期』にある」という話をしました。
①さまざまな業界で進んでいる「キャッシュレス化」
②「Square(スクエア)」など簡略な「カード決済サービスの普及」
③共通ポイント+小売業者の「カードを使った販促戦略の強化」
という3つの理由で、クレジットカード業界に大きな変化が起こっているという話でした。
では、上記の3つの要因が、具体的にクレジットカード業界にどのような変化を引き起こしているのか。今回はそれを解説していきます。
これまで、クレジットカード業界でもっとも重要視されていたのは「情報処理能力」でした。
世界中で行われるクレジットカード決済の膨大な情報を「いかに正確に」「いかに安全に」集めて、処理して、計算するか、というように、「膨大な情報を正確に処理する能力」が求められていたのです。ほかにも、偽造クレジットカードへの対策などのセキュリティ面も非常に重要視されていました。
つまり、「正確な決済能力」と「安全なセキュリティ」こそがクレジットカードに求められた基本的な機能だったのです。
ところが、利用者にとっては今ではそれらの処理が「正確」で「安全」なのは当たり前になってしまいました。
そして、当たり前になった「正確な決済能力」と「安全なセキュリティ」に代わって、前回書いたようにクレジットカード会社以外が進める「キャッシュレス化」や「共通ポイントや小売業者」がクレジットカードを発行することによって、利用者にとっては「ポイント還元」のほうが重要になってきているのです。
こういう流れの中で、何が起こったかというと、クレジットカード業界の中心となる「プレーヤー」が変わってきたのです。
今までならクレジットカードの発行は「決済」という信頼性を担保する「銀行系」が中心でした。例えば、三井住友銀行系の「三井住友カード」や三菱UFJ銀行系の「三菱UFJニコス」などが大きなシェアを占めていました。
今でも彼らは大きなシェアを握っていますが、「ポイント還元」というサービスを提供しやすい「IT系」や「流通系」の勢いが急速に伸びてきており、「IT系」や「流通系」こそが中心的なプレーヤーになってきて、それを決済業者(国際ブランドのVISAやMasterCard、JCBなど)がサポートするような形になってきているのです。
「IT系」とは「Yahoo! JAPAN」や「楽天」「リクルート」で、「流通系」とは「セブン&アイホールディング」や「イオン」です。
彼らは「ポイント」という武器を販促として利用することで、自社が発行(または提携)するクレジットカードの保有者を増やすことに成功しています。
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還元率 | 年会費 (税抜) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆OricoCard THE POINT (オリコカード・ザ・ポイント) |
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1.0~2.5% | 永年無料 | JCB Master |
Suica ICOCA |
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◆dカード | ||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
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◆アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード |
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1.5%~ | 1万円 | AMEX | Suica ICOCA |
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◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~3.0% | 永年無料 | JCB | QUICPay |
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◆イオンカードセレクト | ||||
0.5~1.0% |
永年無料 | VISA JCB Master |
Suica ICOCA WAON |
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【イオンカードセレクトのおすすめポイント】 一般的な「イオンカード」ではポイントがつかない「WAON」チャージでポイントが貯まり、「ポイント2重取り」ができるのが最大のメリット。また、「イオンカードセレクト」の保有+月1回のカード(または搭載のWAON)決済+ネットバンキングに登録という3つの条件を満たすだけで「イオン銀行Myステージ」の「シルバーステージ」に到達し、「イオン銀行」の普通預金金利が通常の30倍=0.03%になる(こちらの記事を参照)。メガバンクの定期預金金利が0.002%の今、普通預金金利が0.03%になるのはお得!「イオンカードセレクト」以外の「イオンカード」保有者はすぐ切り替えよう! |
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