【企業特集】ヤフー
先行者利益守る巨象ではない?
自前主義捨て新たな収益目論む

【第42回】2010年6月15日公開(2011年11月16日更新)

 ヤフーとDeNAは晩夏に向けサービスを互いに提供し合うことを決めた。ヤフーはソーシャル系で出遅れているし、DeNAは携帯電話向けに強くパソコン向けに弱いので補完関係が築ける。

 ヤフーはこれまで、ニュースや動画といったコンテンツを、メディア企業から受け自身のプラットフォームで表示してきた。そこでは、広告主からの収入から一定額を胴元であるヤフーが抜き、残りをコンテンツ提供事業者間で配分していた。しかし、DeNAとはそのプラットフォーム自体を一緒につくる、つまり一緒に胴元になる提携なのだ。

 「ここまで拡大すると自分たちの力だけで今までと同じペースで利用者を拡大させていくことは難しい。外部の力を借りる」(ヤフー幹部)。自前主義との決別だ。

 すでにヤフーは2007年からオープン化戦略を開始している。

 ヤフーの会員がクレジットカード情報などを登録し、ショッピング時などに簡単に決済ができる「Yahoo!ウォレット」がある。このサービスを他のインターネットショッピングを提供する企業などに開放している。

 他社は手数料をヤフーに支払う代わりに、自前の決済システムを構築する必要がなくなり、2000万人のヤフー会員を潜在顧客として獲得することができる。

 今後、投資や大型の提携も加速する。井上社長が今年は出資や買収を加速していくと明言すれば、川邊部長は「フェースブックとの提携も模索できないか考えている」とも明かす。

 なにしろ、ヤフーは現金で370億円を持っている(2009年度末)。もしかしたら、今年、ヤフーは新しい段階に入るかもしれない。

週刊ダイヤモンド

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