洞窟内に太古の昔の壁画があれば、誰もが巨大な牛やウマの絵に目を向けることだろう。しかし、本書の著者ジェネビーブ・ボン・ペッツィンガーが着眼したのは、岩絵の脇に描かれた小さな幾何学記号の模様だった。この幾何学記号の集積が、やがて壮大なミステリーのように雄弁に語りかけてくることになる。

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