1:高温多湿のインドで、ここまで見事な壁画が残っているのはアジャンターのみで、とても希少
2:高台にある展望台から、アジャンターの全容を見渡す
3:エローラ第16窟のカイラーサナータ寺院。奥行き81m、幅47m、高さ33mの巨大な寺院に圧倒される
4:ヒンドゥーの神々が彫られたレリーフが美しい。エローラにて
Photo by Hiroyuki Yamazaki

心地よい水音響く岩窟
不思議な力を感じて

 かつてはバックパッカーの聖地だったインドだが、近年はかなり様子が変わってきた。ラグジュアリーなマハラジャホテルや買い物&グルメなどを目当てにした一般観光客が増えているのだ。

 はじめてのインドなら、デリーやタージ・マハル、バナーラスを回る王道ルートへ。エローラとアジャンターは、2度目のインドで訪れたい。

エローラの第10窟には、仏像が鎮座する
Photo by H.Y.

 ふたつの遺跡は、岩を削り築かれた岩窟群。34の石窟から成るエローラは、仏教、ヒンドゥー、ジャイナと、時代ごとに異なる宗教により造られた。石窟の中はひやりと冷たく、雨期には渓谷に降った雨が小さな滝となって、心地よい水の音を内部に響かせている。信心深くなくとも、心が落ち着き、不思議な力を感じることだろう。