近年、日本での採用競争は激化しています。少子化によって労働人口は減少し、スキルや経験を持つ人材は、より条件のよい場所へと転職。かつてのような、終身雇用や年功序列が魅力だった時代は、すでに過ぎ去ったといえます。各企業にとって、優秀な人材の確保と定着は生き残りのための重要課題です。 また、日本の社会では往々にして、従業員個人の幸せよりも企業の成功が優先されます。しかし、その結果起こるのは、早期離職や人手不足、採用競争。雇っても雇っても人が離れていく、負の連鎖です。このような状況の中、話題を呼んでいる書籍があります。士業事務所のコンサルティングを中心に、さまざまな事業を展開する株式会社アックスコンサルティングの代表取締役である広瀬元義氏による著書『従業員のパフォーマンスを最大限に高めるエンゲージメントカンパニー』です。「アンリ・ジャール」という架空のワイン好き人物が、22人の多様な経営者たちを生徒として講義を行いながら、これからの企業に必要となる人材開発のメソッドを伝えていく――。わかりやすい物語形式で、現在の日本のHR業界に変化を促し、変化のために必要な情報に纏めた『エンゲージメントカンパニー』。従業員のエンゲージメントを実現するために企業は何をするべきか? 本連載では、注目の書籍からそのエッセンスを紹介していきます。
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