巨星墜つ――。くも膜下出血で入院中だったジャニー喜多川さん(ジャニーズ事務所/代表取締役社長・プロデューサー)が7月9日に死去した。享年87。1962年(昭和37年)のジャニーズ事務所創業から57年――日本のエンターテインメント界を牽引し、数々のスターを生み育ててきた“キング・オブ・エンターテインメント”が遺したものとは? *タレント名、敬称略。(ダイバーシティ&インクルージョンマガジン「オリイジン」編集長、元「テレビ・ステーション」編集長 福島宏之)
優れた人材育成力は
企業経営者や人事担当者の学びとなる
7月9日火曜日夕刻、ジャニーズ事務所の代表取締役社長・ジャニー喜多川さんが、解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のために逝去した。先月6月18日の都内病院への緊急搬送からおよそ20日、一昨日の23時30分すぎに、その訃報がニュース速報としてテレビ画面を駆け抜けた。
元号が平成から令和に変わって2ヵ月あまり、時代の節目となる、この大きなニュースは日本のエンターテインメント界にとって、言葉では表現しきれないほどの衝撃だ。
これからしばらくは、ジャニー喜多川さんを中心に、ジャニーズ事務所と所属タレントの情報がメディアにあふれ、“ジャニーズ帝国を築き上げた偉大な人物”がこの世から去ってしまった喪失感が高まっていくだろう。
ご存じのように、ジャニー喜多川さんは、「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのナンバーワン・シングルをプロデュースした人物」としてギネス世界記録に認定されているが、デビュー予備軍やタレントの個々の能力を見出し、伸ばしていくマネジメント力(人材育成力)は、企業経営者や人事担当者の学びとなる部分が多い。
ジャニーズJr.の中からメンバーをピックアップし、グループとしてデビューさせていく力――。