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戦争からカルト問題まで、日本人はなぜ「だまされた被害者」になりたがるのか?

安倍晋三元首相暗殺事件を機に噴出した統一教会問題の発生から2年が経った。さまざまな議論の中で飛び交ったのは「わたしはだまされていた」という声。だが、そうした人たちに責任は全くないのだろうか。かつて敗戦直後、自らの無知を理由に戦争責任を忌避しようとする人たちをきびしく批判した人がいた。その人の名は伊丹万作。映画、エッセイとメディアを縦横無尽に駆け回った鬼才伊丹十三の父である。伊丹氏は「騙し合い」の日本史を作り続ける我々に疑問を投げかける。※本稿は、内田 樹『勇気論』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。

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