「傷ついた!」すぐ被害者ぶる“超めんどくさい人”の心理とは?
42歳でパーキンソン病に侵された精神科医のエッセイが、韓国で売れに売れている。『もし私が人生をやり直せたら』という本だ。「自分をもっと褒めてあげようと思った」「人生に疲れ、温かいアドバイスが欲しいときに読みたい」「限られた時間を、もっと大切にしたい」と共感・絶賛の声が相次ぎ、35万部以上売れているという。
そんなベストセラーエッセイの邦訳が、ついに刊行される。男女問わず、多くの人から共感・絶賛を集める本書の内容とは、いったいどのようなものなのか? 本書の日本語版から抜粋する形で、「人生の限りある時間」の過ごし方について書かれた項目を紹介していく。
「傷ついた!」すぐ被害者ぶる人のやばい心理とは?
例えば、職場で上司に指摘された場合を考えてみましょう。
単純に、業務上のミスに対しての指摘だったにもかかわらず、それを傷つけられたととらえる人がいます。
それは心の傷ではありません。指摘されたのなら改めればいいだけ。立場の違いによる些細な摩擦や衝突は、日常的に起こりうるものです。
何でも心の傷だととらえてしまうと、人生は問題だらけになってしまいます。心の傷を負ったということは、誰かが自分に危害を加えたということです。
つまり自分は被害者になり、相手を加害者に仕立て上げるのですが、こうなると精神的な治療が必要なところまで進んでしまいます。本来、ちょっとした心がけひとつで解決できることが、自分の力では解決不可能な問題に変貌してしまうのです。
「傷ついた!」のメカニズム
傷つくという行為は、自分が何かを強く願ったから受けるものなのです。自分の願いが思い通りに叶わなかった時、傷ついたと思うのです。だから 「傷つけられた」と感じる時は、自分が願っていたことが本当に正当なものであったかを考え直す必要があります。
例えば、「メールの返事を相手がすぐに返してくれないから傷つく」というようなことは、単なる思考の悪いクセであるだけです。
入浴中、ふと自分の腕にあざができているのに気づくことがあります。それでも単に「おや、どこでぶつけたっけ?」と思う程度ですよね。時が過ぎれば、あざは消えてなくなり、あざがあったことも忘れてしまいます。
近頃の人たちが、やたらと「傷ついた」「心の傷」などと言っているのは、ほとんどがこのあざみたいなものと言えるでしょう。
人生を変えるシンプルな習慣
だからどうか、少しの間、過ぎ去るのを待てば終わることを、いちいち「傷ついた」などと言って人生を複雑にしないでください。傷と傷ではないことを区別すること。これが、傷つくことから自由になるための第一歩です。
(本原稿は『もし私が人生をやり直せたら』から抜粋したものです)