少年時代、家庭で荒れた父を前に、「なぜこの人はこんなにも不機嫌なのか」と悩み続けたと語る武田鉄矢さん。時が経ち、人気歌手となった武田さんは、父が背負っていた“見えない傷”の存在を知る。戦争がもたらしたのは戦場での死だけではない。生きて帰った者たちと、その家族の心にも、癒えない痛みが刻まれていた。※本稿は、大久保真紀・後藤遼太『ルポ 戦争トラウマ 日本兵たちの心の傷にいま向き合う』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

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