「おやじ何人殺しとんねん…」元日本軍兵士のDVに耐え続けた家族が見つけた“陣中日記”の真実
大久保真紀,後藤遼太
DVに怯えながら育った少年は、父の死後に母の遺品から一冊の本を見つけた。そこには「陣中日記」と記され、戦場での凄惨な体験が綴られていた。「おやじはなぜ、あんなに乱暴になったのか」。少年時代、「最低の父」と憎んでいた桑原征平さんは、戦争で変わってしまった“父の心”に初めて触れる。戦後を生きた日本兵と家族の沈黙を描く実話。※本稿は、大久保真紀・後藤遼太『ルポ 戦争トラウマ 日本兵たちの心の傷にいま向き合う』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。