知的障害への理解や支援が進む一方で、制度のはざまで見過ごされてきた人たちがいる。知的障害には該当しないものの、平均的なIQに届かない「境界知能」の人たちだ。アルコールや薬物への依存リスクが高く、受刑者の約35%を占めるというデータもある。しかしそれは、「境界知能の人が犯罪を起こしやすい」からではない。なぜ彼らは困難に直面し、犯罪や孤立に巻き込まれやすいのか。その背景を、『ケーキが切れない非行少年たち』の著者が、豊富な研究と臨床経験をもとに解き明かす。※本稿は、立命館大学大学院人間科学研究科教授の宮口幸治『境界知能 存在の気づかれない人たち』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

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