仮想通貨アービトラム(Arbitrum)とは?特徴や仕組みを徹底解説!

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過去にイーサリアムチェーンは、需要過多によって処理の遅延や手数料の高騰が起こる「スケーラビリティ問題」に悩まされていた。

その問題を解消するソリューションとして、処理の一部を引き受けるレイヤー2ブロックチェーンが数多く開発されている。今回取り上げる「Arbitrum(アービトラム)」も、そうしたレイヤー2ブロックチェーンを開発するプロジェクトの1つに数えられている。

またArbitrumは、運営の分散化(非中央集権化)のためにDAO(分散型自律組織)が立ち上げられ、2023年3月23日にそのDAOのガバナンスに用いられる独自トークン「ARBトークン(以下、ARB)」もローンチされた。

この記事では、そんなArbitrumとガバナンストークンのARBについて、主な特徴や将来性、ARBに投資する際の注意点などを紹介していく。

この記事の要点
  • Arbitrumは、イーサリアムチェーンのレイヤー2ソリューションを開発するプロジェクト
  • Arbitrum OneとArbitrum Novaという、2種類のレイヤー2ブロックチェーンが開発されている
  • 運営の分散化のために、Arbitrum DAOが設立された
  • ガバナンストークンであるARBの保有者は、DAOにおいて運営の意思決定に関わる投票に参加できる
  • 仮想通貨(暗号資産)の購入は国内有名取引所のコインチェックがおすすめ!

ArbitrumのガバナンストークンであるARBは、一部の国内取引所でしか取り扱いがなく、購入するなら国内取引所でビットコインやイーサリアムを用意したのち、それを元手に海外取引所で取引するのが一般的だ。

仮想通貨の用意には、国内大手取引所のコインチェックがおすすめだ。500円という少額から取引を開始することができるので、初心者の方でも安心して始めることができるだろう。

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コインチェックの公式サイト

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目次

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)とは?概要を解説

Arbitrumのサイトトップ
出典:Arbitrum公式サイト
名称 ARBトークン、ARB
ティッカーシンボル・通貨単位 ARB
用途 ガバナンストークン
価格* ¥157.30/ARB
時価総額ランキング* 37位
国内取引所での取り扱い bitbank
OKJ(旧OKコインジャパン)
*2024年12月17日時点、CoinMarketCap調べ

Arbitrum(アービトラム)は、イーサリアムチェーンのレイヤー2(L2)ソリューションを開発するプロジェクトだ。

レイヤー2(レイヤー2ブロックチェーン)とは、文字どおりメインチェーンに接続される2層目のブロックチェーンのことであり、本来メインチェーンでおこなわれるトランザクション(取引)の一部を引き受けることにより、メインチェーンの負荷軽減や処理速度向上に寄与している。

Arbitrumでは、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」という、利用目的がそれぞれ異なる2種類のレイヤー2ブロックチェーンが開発されている。

その運営はこれまで開発元のOffchain Labsによってなされていたが、現在は分散化(非中央集権化)が進められており、DAOで用いるガバナンストークンの「ARB(ARBトークン)」もローンチされた。

ARBはエアドロップ(プロモーションのための無料配布)を経て、2023年3月23日(アメリカ時間)に、いくつかの海外取引所へと上場している。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の特徴

レイヤー2ソリューションの開発プロジェクトであるArbitrum、およびガバナンストークンのARBには、次のような特徴がある。

Arbitrum・ARBの主な特徴
  • OneとNovaの2種類のブロックチェーンがある
  • ロールアップによって、高速・低コストでの利用が可能
  • EVM(イーサリアム仮想マシンの互換性がある
  • DAOによる運営に移行した
  • ARBはエアドロップを経て市場に上場した

OneとNovaの2種類のブロックチェーンがある

前述のとおりArbitrumには、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」という2種類のレイヤー2ブロックチェーンがある。

Arbitrum OneはDeFi(分散型金融)プロトコルやNFTでの利用に適している一方で、Arbitrum Novaはブロックチェーンゲームとソーシャルアプリでの利用に特化している。

Arbitrumのポータルでは、これら2つのブロックチェーンを基盤としたプロダクトを一覧で確認することが可能だ。

Arbitrumを基盤としたDAppsの一覧
出典:Arbitrum公式サイト

ロールアップによって、高速・低コストでの利用が可能

ロールアップは、トランザクション(取引)の一部をレイヤー1(メインチェーン)の外で処理したのち、ひとまとめにしてレイヤー1に記録する技術だ。

そうすることにより、レイヤー1のセキュリティ性能を活かしつつ、レイヤー1の負荷を抑えて処理の遅延や手数料の高騰を解消することができる。

Arbitrumのレイヤー2ブロックチェーンでは、そのロールアップの1種である「オプティミスティック・ロールアップ」が採用されている。

オプティミスティック(Optimistic)は日本語に訳すと“楽観的”であり、オプティミスティック・ロールアップには、“基本的には不正はない”という楽観主義が前提にある。

不正がないことを完璧に検証してからデータを記録するのではなく、不正がないという前提で処理をおこない、セキュリティの一部をレイヤー1、つまりはイーサリアムチェーンに担保してもらうことにより、安全かつ高速・低コストでの処理を可能にしている。

ただしデメリットとして、万が一不正が発見された場合には、不正が行われた時点までの時系列の巻き戻しと正しいデータへの差し替えが必要になり、それらの処理に相応の時間を要することになる。

EVM(イーサリアム仮想マシン)の互換性がある

EVM(Ethereum Virtual Machine、イーサリアム仮想マシン)とは、スマートコントラクトを実行するために必要な、いわばプログラミング言語の翻訳機だ。

Arbitrumの2つのレイヤー2ブロックチェーンはいずれもEVMの互換性を有しており、イーサリアムで用いられるプログラミング言語(Solidity)で書かれたソースコードを、修正なしで稼働させられる。

つまりイーサリアムチェーンを基盤として開発されたDApps(分散型アプリ)を、Arbitrumのレイヤー2ブロックチェーンへと容易に移植できるということだ。

実際にArbitrumには、より高速・低コストで利用できる環境を求めて、UniswapやAaveなど、元々はイーサリアムチェーンのみを基盤としていたDAppsが、複製され移植されている。

DAOによる運営に移行した

Arbitrumはこれまで、開発元のOffchain Labsによって運営されていた。

しかし、2023年3月16日に開発を支援するArbitrum財団から、DAO(分散型自律組織)による運営に移行することが発表された。

また、DAOへの運営移行に合わせて、ガバナンストークンのARBが発行されることなった。

DAOの名称はArbitrum DAOであり、ARBの保有者はDAOでの投票によって、Arbitrum OneとArbitrum Novaの運営に関わる意思決定に参加することができる。

エアドロップを経て市場に上場した

ガバナンストークンのARBは2023年3月23日に、いくつかの条件を満たしたArbitrumのネットワーク参加者へエアドロップされた。

エアドロップの対象者には個人ユーザーだけでなく、Arbitrumの各種レイヤー2ブロックチェーンを基盤としているプロジェクトのDAOも含まれている。

またエアドロップの実施後は、Coinbaseなどの海外取引所への上場を果たしている。

アービトラム(Arbitrum)をMetaMaskへ追加する方法

Arbitrumの各種レイヤー2ブロックチェーンを基盤としたDAppsを利用する際には、そのブロックチェーンの情報をMetaMaskなどのウォレットに加えておく必要がある。

ここでは、その追加方法を紹介しておこう。

方法1:ChainListを利用する

ChainListは、EVM互換性を持つブロックチェーンがまとめられたサイトだ。

一覧のなかからArbitrum OneもしくはArbitrum Novaを選択し、MetaMaskなどのウォレットを接続すると、それらのブロックチェーンの情報をウォレットに追加することができる。

ウォレットを接続すると、次のようにウォレットからネットワークの追加の許可を求められるので、それを承認すれば手続きは完了だ。

ウォレットにネットワークを追加する方法1
出典:ChainList

方法2:Arbitrumの各種ブロックチェーンを基盤としたDAppsにウォレットをつなぐ

もう1つの方法は、ネットワークがウォレットに追加されていない状態で、Arbitrumの各種ブロックチェーンを基盤としたDAppsにウォレットを接続するというものだ。

DAppsにウォレットを接続すると、ChainListに接続した場合と同じく、ウォレットが起動してネットワークの追加の許可を求められるので、それに応じれば追加の手続きが実行される。

ウォレットにネットワークを追加する方法2
出典:cBridge

また、追加したのちにそのブロックチェーンへとネットワークを切り替えれば、DAppsを利用できるようになる。

ウォレットにネットワークを追加する方法3
出典:cBridge

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の価格動向

次は、アービトラム(Arbitrum)の価格動向を見ていこう。以下は、アービトラム(Arbitrum)/USDTの2023年3月から2024年12月17日までの価格動向だ。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の価格動向
出典:TradingView

アービトラム(Arbitrum)が上場した2023年3月~4月は、海外取引所での上場が活発となり約1.6ドル付近まで上昇した。しかし、その後は仮想通貨市場全体での下落に連動してアービトラムも下落している。

2023年10月後半からは徐々に上昇しているが、これはビットコインの現物ETF承認期待による仮想通貨市場全体での上昇が影響した形だ。

また、2024年に入ってからも強い上昇を見せていることが分かる。2024年1月4日には、アービトラムがDEX取引量でイーサリアムを上回ったことが公表されており、期待値の高さから最高値を更新した。

2024年1月11日にはビットコインの現物ETFも承認されたが、仮想通貨市場全体での高騰に連動してアービトラムも上昇してる。

なお、2024年1月に最高値を付けてからは下降トレンドを形成した。2024年12月時点では、仮想通貨に友好的な姿勢を示すドナルド・トランプ氏が米大統領選に当選したことで反発中である。

今後の動向から目が離せない。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の購入方法

ARBは2023年3月23日にいくつかの海外取引所へと上場したが、扱っている国内取引所は限定的であるため、ARBのようなアルトコインを入手するには海外取引所を経由するのが一般的だ。

したがってここでは、国内取引所と海外取引所の併用によるARBの購入方法を確認していこう。

ARBの購入方法
  1. 国内取引所で口座を開設する
  2. 国内取引所で元手となる仮想通貨を調達する
  3. 海外取引所でARBを購入する

国内取引所で口座を開設する

海外取引所は一般的に日本円での取引に対応していないので、仮想通貨を元手に取引をすることになる。

そこでまずは、元手となる仮想通貨を調達するために、国内取引所の口座を用意しよう。

国内取引所は約30社存在しているが、国内大手取引所の代表格であるコインチェックがおすすめだ。

coincheckの公式サイト
出典: コインチェックの公式サイト

口座開設の詳しい手順については、以下の記事で画像を交えながら解説しているので、ぜひ参考にしてもらいたい。

コインチェックでは、オンラインで口座開設手続きが完結するので、今すぐ取引を始めたいという方にもおすすめだ。

まだ仮想通貨取引所の口座をお持ちでないなら、この機会にコインチェックの利用を検討してみてはいかがだろうか。

国内取引所で元手となる仮想通貨を調達する

口座を用意したら、次は海外取引所での取引の元手として、ビットコインやイーサリアムなどのメジャーな通貨を調達しよう。

チャートなどをみながら、ご自身のタイミングで通貨を購入してみよう。

海外取引所でARBを購入する

元手となる仮想通貨を用意したら、それを用いて海外取引所でARBを購入しよう。

本記事執筆時点でARBの取り扱いがあり、なおかつ日本人の利用を受け付けている海外取引所は、KucoinやBitrueなどがある。

ちなみに海外取引所では、国内取引所と違ってステーブルコインでの取引が主流だ。

例えばBitrueでのARBの通貨ペアは、ARB/テザー(米ドルにペッグされたステーブルコインの1種)のみであり、用意したビットコインやイーサリアムをいったんテザーに換金しなければ、ARBの取引をすることはできない。

以上、国内取引所と海外取引所を併用して、ARBを購入する方法を紹介した。

コインチェックなら、取引形式を選ぶことによって、コストを抑えつつ元手となるビットコインやイーサリアムを調達できる。

ARBに関心がある方はぜひ、コインチェックの公式サイトもこの機会にチェックしてみてほしい。

仮想通貨取引におすすめの取引所3選!

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)を通じて仮想通貨に興味を持った方もいるだろう。

そこで以下では、仮想通貨の取引におすすめな取引所を紹介していく。

Coincheck

コインチェックの公式サイト
コインチェックの公式サイト
提供する取引の種類 現物取引(販売所・取引所)
取り扱う仮想通貨 31種類
BTC、XRP、ETH、BCH、XEM、
LSK、LTC、ETC、XLM、MONA、
QTUM、BAT、IOST、ENJ
SAND、DOT、PLT、FNCT、CHZ、
LINK、DAI、IMX、APE、MATIC、MKR、
AXS、WBTC、AVAX、SHIB、BRIL、BC
最小取引数量
(ビットコインの場合)
現物取引(販売所):500円相当額
現物取引(取引所):0.005 BTC以上、かつ500円(相当額)以上
取引手数料
(ビットコインの場合)
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり
現物取引(取引所):無料
仮想通貨の送金手数料
(ビットコインの場合)
0.0005~0.016 BTC
その他のサービス Coincheckつみたて
Coincheck IEO
Coincheck NFT
Coincheckでんき
Coincheckガス
Coincheckアンケート
貸暗号資産サービス
ステーキングサービス(β版)
公式サイト Coincheck公式サイト
関連記事 Coincheckの評判・口コミ

Coincheckはマネックスグループ傘下の仮想通貨取引所で、ビットコインをはじめとして31種類の仮想通貨を取り扱っている。

レバレッジ取引のサービスはなく、現物取引に特化しており、取引の形式は「取引所」と「販売所」の2種類がある。

これら2種類のうち、取引所を利用してビットコインを取引する場合は、取引手数料がかからないようになっているため、ビットコインをメインの取引対象とするのであれば、Coincheckがうってつけだ。

また、Coincheckはシンプルで扱いやすい取引アプリが人気で、2019年から2023年にかけて、ダウンロード数No.1を獲得している。※対象:国内の暗号資産取引アプリ、データ協力:AppTweak

ダウンロードは無料でできるので、興味があるなら口座を開設する前に、口座開設の検討材料の1つとして取引アプリに触れてみてはいかがだろうか。

bitbank

bitbankTop
出典:bitbank
提供する取引の種類 現物取引(販売所・取引所)
取り扱い銘柄数 40種類
最小取引数量
(BTCの場合)
現物取引(販売所):0.0001 BTC
現物取引(取引所):0.0001 BTC
取引手数料
(BTCの場合)
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり
現物取引(取引所):Maker -0.02%、Taker 0.12%
仮想通貨の送金手数料
(BTCの場合)
0.0006 BTC
その他のサービス 貸して増やす(レンディングサービス)
公式サイト bitbank公式サイト
関連記事 bitbankの評判・口コミ

bitbankは、豊富な銘柄を扱う仮想通貨取引所である。

販売所形式だけではなく取引所でもビットコインを含む40銘柄の取引が可能だ。

また、ほとんどの銘柄を取引所から売買できるため、取引コストを抑えられる点が魅力となっている。

セキュリティ面に力を入れていることも、bitbankの重要な特徴の1つであり、2018年には第三者機関からセキュリティ性能での日本一*の評価を与えられたこともある。*2018年10月3日 ICORating調べ

SBI VCトレード

SBIVCトレード
名称 SBI VCトレード
提供する取引の種類 現物取引(販売所・取引所)
レバレッジ取引(販売所)
取り扱う仮想通貨 24種類
BTC、ETH、XRP、LTC、
BCH、DOT、LINK、ADA、
DOGE、XLM、XTZ、SOL、
AVAX、MATIC、FLR、OAS、
XDC、SHIB、DAI、ATOM
APT、HBAR、ZPG、NEAR
最小取引数量
(ビットコインの場合)
販売所:0.00000001BTC
取引所:0.00000001BTC
レバレッジ取引:0.00000001BTC
取引手数料
(ビットコインの場合)
販売所:無料※スプレッドあり
取引所:Maker -0.01%、Taker 0.05%
レバレッジ取引:建玉金額×0.04%/日
日本円の入金手数料 無料
日本円の出金手数料 無料
仮想通貨の入金手数料 無料
仮想通貨の出金手数料 無料
公式サイト SBI VCトレード公式サイト
関連記事 SBI VCトレードの評判・口コミ

SBI VCトレードはSBIグループのSBI VCトレード株式会社が運営する国内大手の仮想通貨取引所だ。

ビットコインを始めとしたメジャー通貨だけでなく、国内では珍しいマイナーな通貨も豊富に扱っている。

また、多くの関連サービスが提供されている点も特徴だ。

レバレッジ取引やレンディング(貸暗号資産)、仮想通貨の積み立てと、短期・長期の両方で利用しやすいサービスが多く、取引の選択肢を広げられる

ぜひこの機会にSBI VCトレード公式サイトをチェックしてみてほしい。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の将来性

ガバナンストークンのARBは2023年3月23日に市場への上場を果たした。

ここではそんなARBとArbitrumの将来性を、以下の要素から考察してみよう。

Arbitrum・ARBの将来性に関わる重要な要素
  • DAOによる民主的な意思決定によって開発・運営が進められていく
  • ポピュラーなプログラミング言語での開発が可能になる
  • 上場先が増えていく可能性がある

DAOによる民主的な意思決定によって開発・運営が進められていく

繰り返しになるがArbitrumは、2023年3月にArbitrum DAOが設立され、運営主体が開発元のOffchain LabsからDAOへと移行された。

ただし、DAOによる民主的な運営への移行が、必ずしも良い方向に働くとは限らない。

DAOによる運営がArbitrum OneとArbitrum Nova、さらにガバナンストークンであるARBの価格に、どういった影響を及ぼすのか要注目だ。

ポピュラーなプログラミング言語での開発が可能になる

Stylusの紹介
出典:Arbitrum公式サイト

詳細な時期は示されていないが、Arbitrumでは、多言語対応のプログラミング環境「Stylus」が実装される見込みだ。

従来のArbitrumでは、イーサリアムチェーンの独自プログラミング言語であるSolidityなどを用いてDAppsの開発がおこなわれていたが、Stylusが実装されると、C言語やC++などのよりポピュラーなプログラミング言語も使えるようになる。

またStylusでは、C言語などを使ってもEVMの互換性が保たれる。

ポピュラーなプログラミング言語を使えるようになれば、エンジニアにとっての参入障壁が下がり、Arbitrumのエコシステムはより拡大していくことになるだろう。

上場先が増えていく可能性がある

ARBはローンチから日が浅く、現状では上場先が限られているのだが、今後少しずつARBを取り扱う仮想通貨取引所は増えていくだろう。

新規上場の話題は、投資家からポジティブな要素として受け取られやすく、短期的な高騰のきっかけとなることがある。

そのためARBに投資するなら、今後の新規上場のニュースとそれに対する市場の反応も、逐一チェックしてみてほしい。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)の注意点やリスク

さて、もしもこれから実際にARBに投資するなら、次のような注意点やリスクがあることをあらかじめ知っておいてほしい。

ARBに投資する際の注意点・リスク
  • レイヤー2ソリューションの競合が多い
  • 海外取引所は日本の法律で認可されていない
  • ARBの人気に乗じた詐欺や盗難などに注意

レイヤー2ソリューションの競合が多い

イーサリアムのレイヤー2ソリューションは、Arbitrum以外にも以下のようなものがある。

Arbitrum以外の主要なレイヤー2ソリューション
  • Polygon
  • Optimism
  • Immutable X
  • zkSync
  • Boba Network
  • Starknet
  • Shibarium

ここで、Arbitrumのレイヤー2ブロックチェーンと他のレイヤー2ブロックチェーンの市場シェアを、DeFiプロトコルにフォーカスしてチェックしてみよう。

次のグラフは、主要なブロックチェーン(レイヤー2ブロックチェーン以外も含む)を基盤としたDeFiプロトコルのTVL(預かり資産)を多い順に並べたものだが、これを見るとArbitrum(Arbitrum One)のTVLは現状、レイヤー2ブロックチェーンのなかでも多いことがわかる。

レイヤー2ソリューションの競合が多い
出典:DeFiLlama(2024年1月8日時点)

TVL=市場シェアではないが、相応の需要を獲得していることはこのグラフからうかがい知れる。

ただ、他のレイヤー2ブロックチェーンと競合するなかで、市場シェアを奪われていく可能性ももちろんある。

そのため、ARBに投資するのであれば、競合との相対的な位置関係の変遷も注視しておくことが望ましいだろう。

海外取引所は日本の法律で認可されていない

ARBは今のところ一部の国内取引所でしか取り扱いがなく、購入するには海外取引所を使用する必要がある。

しかし海外取引所は、日本の法律で認可されておらず、ひいては日本の法律による安全性の担保もなされていない。

利用中に何らかのトラブルが発生すると、預け入れた資産が返ってこなくなる可能性もあり、利用の際はそうしたリスクがあることを事前によく頭に入れておいてほしい。

ARBの人気に乗じた盗難や詐欺などに注意

ARBは2023年3月23日にエアドロップがおこなわれたが、その際に仮想通貨の分析プラットフォームを手がけるArkhamから、エアドロップに乗じたハッキングに関する警鐘が鳴らされた。

エアドロップでは62万5,000件のウォレットアドレスが対象となっていたのだが、ハッカーがその一部に対して、同一のアドレスから少額の資産を送金していた。

ハッキングを疑われるウォレットへの送金状況
出典:Twitter(@ArkhamIntel)

Arkhamによると、その資産が送金されたウォレットは何らかの方法ですでにハッキングされており、ハッカーが秘密鍵やシードフレーズにアクセスできるようになっているとのことだ。

仮想通貨業界では残念ながらこのようなハッキングや盗難、詐欺が少なからずあり、ARBでなくとも仮想通貨に触れるのであれば、適切なセキュリティリテラシーを身に着けた上での自衛が求められる。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)に関するよくある質問

最後に、ARBに関してよくある質問を2つ、紹介しておこう。

アービトラムのエアドロップはいつ行われますか?

ARBは、2023年2月6日に対象者を確定するためのスナップショット(特定の時点でのブロックチェーンの記録を確認する行為)が実施され、その対象者に対して3月23日にエアドロップが実施された。

アービトラムの買い方や購入方法はなんですか?

残念ながら国内取引所ではアービトラムを取り扱っていない。もし購入したい場合は、国内取引所で仮想通貨を購入した後に、海外取引所に送金して購入する必要がある。

アービトラムの将来性はどうですか?

Arbitrum OneのDeFiプロトコルのTVLは、イーサリアムチェーンのレイヤー2ブロックチェーンの中でトップであり、現状での需要の高さがうかがえる。

しかしながら、イーサリアムチェーンのレイヤー2ブロックチェーン全体に対する需要の動向や、今後のDAOによる運営や競合の動向、あるいは仮想通貨市場全体の動向などには不確実な要素がある。

したがって、ARBに将来性があるかどうかについては、各人が自己責任において判断していただきたい。

仮想通貨アービトラム(Arbitrum)とは?まとめ

今回は、レイヤー2ソリューションの開発プロジェクトであるArbitrumとガバナンストークンのARBについて、主な特徴や将来性、投資する際の注意点などを紹介した。

この記事のまとめ
  • Arbitrumは、イーサリアムチェーンのレイヤー2ソリューションを開発するプロジェクト
  • Arbitrum OneとArbitrum Novaという、利用目的が異なる2種類のブロックチェーンがある
  • 2種類のブロックチェーンはいずれも、ロールアップによって高速・低コストでの利用が可能
  • DAOによる運営に移行するため、ガバナンストークンのARBがローンチされた

Arbitrumは、イーサリアムチェーンのレイヤー2ソリューションを開発するプロジェクトだ。

レイヤー1のイーサリアムチェーンよりも高速・低コストで利用することができ、EVM互換性もあるため、Uniswapをはじめとした多くのDAppsがイーサリアムチェーンからArbitrumへとコピー・移植されている。

またArbitrumでは、2023年3月23日にガバナンストークンの「ARB」がローンチされている。

なおコインチェックを使えば、取引コストを安く抑えつつ、ARBの取引の元手となるビットコインやイーサリアムを用意することができる。

500円という少額から仮想通貨を購入できるので、まだコインチェックの口座をお持ちでないなら、この機会にコインチェックの公式サイトをチェックしてみてほしい。

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