ステラルーメン(XLM)は、リップル(XRP)の元開発者であるジェド・マカレブ氏が主導して、2014年に開発した仮想通貨(暗号資産)だ。
本記事執筆時点(2024年10月時点)で、時価総額ランキングではリップルに及ばないものの、32位台*につける人気の通貨となっている。*2024年10月17日時点、CoinMarketCap調べ
今回はそんなステラルーメンについて、その特徴やこれまでの価格動向、今後の見通しなどを解説していく。
- ステラルーメンは、2014年に個人間の送金での利用を目的として開発された
- SWIFTの送金システムと比べて、高速・低コストで送金できる
- 個人向けのサービスだけでなく、企業や銀行などの送金ネットワークにも採用されている
- ステラブロックチェーン上では、ステラルーメン以外の仮想通貨も発行可能
- Coincheckなら取引コストを安く抑えながらステラルーメンを購入できる
ステラルーメンは日本でも人気のある仮想通貨の1つで、いくつかの国内取引所で取り扱われている。
その中でもCoincheckは、操作性の高いスマホアプリからステラルーメンの取引ができるおすすめの取引所だ。
ステラルーメンに興味がある方は、併せてCoincheck公式サイトもチェックしておくとよいだろう。
ステラルーメン(XLM)とは?
名称 | ルーメン、ステラルーメン |
ティッカーシンボル | XLM |
発行元 | ステラ開発財団(Stellar Development Foundation) |
発行時期 | 2014年2月 |
基盤のブロックチェーン | ステラ |
価格* | ¥14.28/XLM |
時価総額ランキング* | 35位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 |
Coincheck bitFlyer |
ステラルーメン(XLM)は、個人間の送金での利用を主たる目的とした仮想通貨で、2014年にステラ開発財団から発行された。
ブロックチェーンプラットフォームが「ステラ」、その基軸通貨の正式名称が「ルーメン」と名付けられているが、ルーメンは一般的に「ステラルーメン」という通称で呼ばれており、当記事でもそのように表記することとする。
発行上限枚数は1,050億XLMであり、そのすべてが発行済みで、今後の新規発行の予定はない。
なお、1,050億XLMの内の550億XLMを、2019年11月にステラ開発財団が焼却(バーン)したため、現在の総枚数は500億XLMとなっており、そのうち300億XLMはステラ開発財団が保有している。
ステラルーメン(XLM)の特徴
ステラルーメンの主な特徴は、以下のとおりだ。
- 個人間の送金に利用するために開発された
- 送金の処理が速く、手数料も安い
- 中央集権的な組織が管理・運営している
個人間の送金に利用するために開発された
ステラルーメンは、同じく送金の手段となることを目的としたリップル(XRP)の元開発者、ジェド・マカレブ氏の主導で開発された。
リップルが、銀行や企業での送金手段となることを目的にしていることに対して、ステラルーメンは、個人をメインのターゲットに据えている。
ただし、企業や金融機関などとの関わりがまったくないわけではない。例えば、米国の大手IT企業であるIBM社が立ち上げた送金ネットワークサービス「IBM Blockchain World Wire」は、ステラブロックチェーンを基盤に開発された。
送金の処理が速く、手数料も安い
現行の送金(国際送金)サービスは、SWIFT(国際銀行間通信協会)による銀行間の送金ネットワークを用いるのが主流である。
しかし、SWIFTによる国際送金は、国を跨いで複数の銀行を経由しなければならないため、送金手続きに時間と割高なコストがかかるという難点を抱えている。
一方、ステラルーメンを用いた送金システムでは、ステラルーメンをブリッジ通貨とすることで、高速・低コストで送金することができる。
ブリッジ通貨とは、文字どおり2つの通貨の橋渡しをする通貨を指す。
例えば、日本円を米ドルに換えて日本から米国に送金したい場合、日本円⇒ステラルーメン⇒米ドルといった形で、一旦ステラルーメンを中継することで、銀行を使わずに高速・低コストで送金することができる。
なお、リップルよりも後に生まれたステラルーメンは、独自のコンセンサスアルゴリズム「Stellar Consensus Protocol (SCP)」が採用されたことで、安全性を維持しながら、より高速で送金できるようになっている。
中央集権的な組織が管理・運営している
仮想通貨とブロックチェーンは、その仕組みだけでなく管理・運営についても、コミュニティが主導する分散型(非中央集権型)のものが多い。
もっとも、ステラルーメンの場合、コンセンサスアルゴリズムは分散型の仕組みでありながら、管理・運営はステラ開発財団がおこなうという中央集権的な特徴もある。
また、前述のとおり、現在の総枚数である500億XLMの内、300億XLMはステラ開発財団の所有となっており、数年をかけて財団が市場にそれを放出することで、需給のコントロールをしている。
ステラルーメン(XLM)の価格動向
ここで、ステラルーメンのこれまでの値動きを確認しておこう。
2015年から現在までの価格動向
まずはXLM/USDチャートで、2015年から本記事執筆時点(2024年10月)までの長期的な価格動向を見てみよう。
このチャートから読み取れるとおり、ステラルーメンは2017年末から2018年初頭にかけて、大きく高騰している。
この高騰は、ビットコインのハードフォーク(分岐を伴うハードフォーク)がトラブルなく成功したことや、海外でビットコインの先物取引が始まったことなど、複数のポジティブな要素を投資家が好感して、ビットコインのみならず仮想通貨市場全体に投資資金が流入したことで起こった。
過去にないほど大きく高騰したため、「ビットコインバブル」と呼ばれているのだが、バブルが弾けると今度は一転して市場全体が低迷し、ステラルーメンも2020年中頃まで停滞が続いた。
2020年後半になると、コロナ禍における世界各国での大規模金融緩和によって、投資に回せる資金が生まれ、仮想通貨市場にも再び大量の資金が流入してくる。
その結果、ステラルーメンの価格も2017年のバブル期に近い水準まで高騰したが、新型コロナの感染終息とともに各国での経済活動が活発化すると、次は金融を引き締めるフェーズに移り、その動きに合わせるように、ステラルーメンを含めて仮想通貨市場全体が下落基調となった。
直近の価格動向
続いて、本記事執筆時点(2024年10月)までの、直近値動きも押さえておこう。
御覧のとおり、2024年3月までは、ステラルーメンの価格は上昇基調となっていた。
この価格上昇は、同じく国際送金サービスでの利用を主たる役割としている、リップルの値動きに牽引されたものと見られている。
次の画像はXLM/USDチャートとXRP/USDチャートを、いずれも2023年10月からの値動きの幅を示すパーセント表記にして重ね合わせたものだ。
上昇幅はリップルの方が大きいものの、チャートの形は似通っており、特に10月後半からいずれも明確に上昇の動きになっていることがわかる。
リップルを運営・管理するリップル社は、2020年に証券法違反の疑いで米証券取引委員会(SEC)に提訴され、すでに約3年にわたって裁判が続いている。
その裁判について、リップル社に有利な判決が出ており、ようやく裁判の終わりが見え始めたことが市場に好感され、似た特徴を持つステラルーメンにもその影響が及んだようだ。
なお、2024年3月までに上昇したのち、10月の現在にかけては調整相場となり、価格も落ち着きを見せている。
もしこれからステラルーメンに投資するならば、リップルの裁判やビットコインのような主要通貨の行方にも注目しておいた方がよいだろう。
ステラルーメン(XLM)を購入できる取引所
ステラルーメンは国内でも人気があり、取り扱う仮想通貨取引所は多いが、今回はその中から2社をピックアップして紹介する。
Coincheck
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 30種類 BTC、XRP、ETH、BCH、XEM、 LSK、LTC、ETC、XLM、MONA、 QTUM、BAT、IOST、ENJ、 SAND、DOT、PLT、FNCT、CHZ、 LINK、DAI、IMX、APE、MATIC、MKR、 AXS、WBTC、AVAX、SHIB、BRIL |
最小取引数量 | 現物取引(販売所):円建てで500円相当額、BTC建てで0.001 BTC相当額 現物取引(取引所):取り扱いなし |
取引手数料 | 現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):取り扱いなし |
送金手数料 | ネットワーク手数料の変動に応じて、0.005~0.16 ETH |
その他のサービス | Coincheckつみたて Coincheck IEO Coincheck NFT Coincheckでんき Coincheckガス Coincheckアンケート 貸暗号資産サービス ステーキングサービス(β版) |
公式サイト | Coincheck公式サイト |
関連記事 | Coincheckの評判・口コミ |
Coincheckは、ネット証券であるマネックス証券を中心とした、マネックスグループに属している仮想通貨取引所だ。
マネックス証券にも仮想通貨取引のサービス「マネックスビットコイン」があり、マネックスビットコインはレバレッジ取引、Coincheckは現物取引に特化することで、2つのサービスのすみ分けがなされている。
Coincheckの取り扱い通貨は30種類で、そのすべてに対して500円から投資することができる。
また、シンプルで操作性に優れる取引ツールが好評で、特にアプリ版の取引ツールはダウンロード数No.1*を獲得するほど、多くのユーザーに好まれている。*国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2021年、データ協力:AppTweak
bitFlyer
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 33種類 BTC、ETH、XRP、DOGE、AVAX、 GRT、RNDR、DAI、CHZ、APE、 IMX、AXS、MANA、SAND、SHIB、 PLT、FLR、ZPG、MATIC、MKR、 XYM、LINK、DOT、XTZ、XLM、 XEM、BAT、ETC、LTC、BCH、 MONA、LSK、ELF |
取引手数料 | 現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):取り扱いなし レバレッジ取引(取引所):取り扱いなし |
その他のサービス | ステーキングリワードサービス(一時停止中) かんたん積立 ビットコインをもらう bitFlyerクレカ ビットコイン寄付 友達招待プログラム Tポイント交換サービス bitWire(β) |
公式サイト | bitFlyer公式サイト |
関連記事 | bitFlyerの評判・口コミ |
bitFlyerは、6年連続でビットコインの取引高日本一*を獲得するほどの人気を誇る、国内屈指の仮想通貨取引所だ。*Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016 年 〜 2021 年の年間出来高(差金決済 /先物取引を含む)
ステラルーメンを含む33種類の仮想通貨に対して、1円から投資できるため、投資初心者からの支持も厚い。
通常の取引以外のサービスが充実していることも、人気を集める要因となっている。その中には、1円単位で始められる自動積み立てサービス「かんたん積立」もある。
仕事で普段忙しく、自分で取引する暇をつくれない方は、自動積み立てで手間をかけずに、ステラルーメンなどのさまざまな銘柄に投資してみるのもよいだろう。
ステラルーメン(XLM)の購入方法
続いて、先ほど紹介したCoincheckを例にして、ステラルーメンの購入方法を紹介しよう。
- 仮想通貨取引所(Coincheck)の口座を開設する
- 口座に購入資金を入金する
- 取引ツールで値動きを分析する
- 購入数量を決めて注文を入れる
仮想通貨取引所(Coincheck)の口座を開設する
まずはCoincheck公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
Coincheckでの口座開設手順は以下のとおりで、本人確認手続きは、スマホで自身の顔と本人確認書類を撮影アップロード形式で行える。
- メールアドレスを登録する
- 各種重要事項を確認する
- 電話番号認証をおこなう
- 個人情報を入力する
- 本人確認書類を提出する
口座開設手数料もかからないので、まだ口座をお持ちでない方は、この機会にCoincheck公式サイトにアクセスしてみよう。
口座に購入資金を入金する
口座をつくることができたら、次はその口座にステラルーメンを購入するための資金を入金しよう。
Coincheckの場合、入金方法は銀行窓口やATMなどから振り込む振込入金と、インターネットバンキングを用いたクイック入金のコンビニ入金の3種類から選択可能だ。
クイック入金であれば、振込入金の際にかかる振込手数料を自己負担する必要がないため、インターネットバンキングを使える方には、クイック入金をおすすめする。
取引ツールで値動きを分析する
購入資金を用意して取引できる状態が整っても、闇雲に手を出すのではなく、取引ツールのチャート機能を使い、まずは落ち着いて値動きを確認しよう。
Coincheckの取引ツールなら、PC版・アプリ版ともに描画ツールやテクニカル分析指標が充実しているため、細かな値動きの分析が可能だ。
購入数量を決めて注文を入れる
値動きを分析して、より有利な価格で購入できるタイミングが来たら、いよいよ数量を決めてステラルーメンを購入しよう。
コインチェックの販売所からXLM(ステラルーメン)を選択し、数量を入力後に交換する通貨を選択することで購入できる。
以上、Coincheckを例にしてステラルーメンを購入する方法を解説した。
ステラルーメンを取り扱う仮想通貨取引所の中でも、Coincheckは取引ツールが優れていて、スマホアプリへの評価も高い。
ステラルーメンを購入したい方は、ぜひCoincheckの利用を検討してみてはいかがだろうか。
ステラルーメン(XLM)の今後の見通し・将来性
最後に、ステラルーメンの将来性について考察してみよう。
- 決済関連企業などと提携して、送金ネットワークの拡大を目指している
- ステラを基盤にしたステーブルコインを発行する動きがある
- 構成銘柄にステラルーメンを扱う投資信託がローンチされている
決済関連企業などと提携して、送金ネットワークの拡大を目指している
ステラブロックチェーンは、個人間での送金のためにつくられたプラットフォームだが、先ほど紹介したようなIBM社をはじめとする企業や銀行などとも提携して、送金システムを展開している。
2021年には、国際的な決済ネットワークを提供しているVelo Labs社が、ステラブロックチェーンを利用して、EU27カ国とタイでの国際送金ができるシステムを構築した。
ステラブロックチェーンを基盤にした送金ネットワークが今後も広がっていけば、そうした情報を見てステラルーメンに投資対象としての魅力を感じる投資家も、今以上に増えていくことだろう。
ステラを基盤にしたステーブルコインを発行する動きがある
ステラブロックチェーンは、ステラルーメン以外の仮想通貨の基盤としても用いられている。例えば、ラテンアメリカ諸国で仮想通貨による金融システムの構築を目指す「Anclap」は、ステラブロックチェーンを基盤にして、ペルーやアルゼンチンなどの法定通貨に裏付けられたステーブルコインを発行している。
ほかには、時価総額ランキングで6位*につけているステーブルコイン「USDコイン(USDC)」も、ステラブロックチェーン上で発行されている。*2024年10月17日時点、CoinMarketCap調べ
このようにステラブロックチェーンは、ステーブルコインをはじめとして仮想通貨を発行できるプラットフォームとしても支持が厚い。今後も新たなコインが追加されていけば、ステラルーメンの価格にも好影響を及ぼす可能性がある。
構成銘柄にステラルーメンを扱う投資信託などがローンチされている
近年、ステラルーメンは仮想通貨取引所で売買できるだけでなく、投資信託などの構成銘柄としても取り扱われている。
スイスでは、2021年4月に21シェアーズ社が、ステラルーメンを含む投信商品(ETP)をスイス国内の証券取引所に上場させた。そのほか、2021年10月には米国の大手資産運用会社のグレースケール社が、ステラルーメンの投資信託をOTC(店頭)取引所のOTCQXに上場させた。
投資信託、ETP、ETFなど、ステラルーメンに投資できる選択肢が増えていけば、仮想通貨取引を普段おこなわない層からも投資資金が流入してきて、価格変動にプラスに働くかもしれない。
ステラルーメン(XLM)の予想まとめ
今回はステラルーメンについて、その特徴や今後の見通しなどを解説した。
- ステラルーメンは、個人間の送金での利用を目的として開発された仮想通貨
- 既存の送金サービスと比べて、高速・低コストで送金することができる
- 企業や銀行などと提携して、送金ネットワークの拡大を図っている
- ステラブロックチェーンを基盤にしたステーブルコインが発行されている
- Coincheckなら取引コストを安く抑えながらステラルーメンを購入できる
ステラルーメンは、個人間の送金での利用のために開発されたが、IBM社をはじめとして企業や銀行などの送金ネットワークにも活用されている。
そして、ステラブロックチェーンはステラルーメン以外の仮想通貨を発行できるプラットフォームでもあり、ステラを基盤にしたステーブルコインが数多く発行されている。
このように、ステラルーメンは多くの実績を持ち、将来性にも期待が持てる通貨となっている。興味を持った方はステラルーメンへの投資を考えてみてはいかがだろうか。
ステラルーメンを取り扱う仮想通貨取引所はいくつかあるが、中でもコインチェックなら各種手数料無料でステラルーメンの取引ができる。
口座開設は無料でできるので、まだ口座をお持ちでない方は、この機会にCoincheck公式サイトをチェックしておくとよいだろう。