スタディサプリ高校講座を学習塾の動画授業と比較
スタディサプリ高校講座は、他の学習塾の動画授業と比較してどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、大手予備校の東進ハイスクールと代々木ゼミナールを取り上げて、映像授業の内容や料金を比較してみます。
東進と比較
東進は、直営の東進ハイスクールとフランチャイズの東進衛星予備校を展開している予備校で、どちらの校舎でも同じ内容の映像授業を視聴することができます。東進の講師陣も実力派揃いで、例えば、安河内哲也先生(英語)、志田晶先生(数学)、林修先生(現代文)、苑田尚之先生(物理)など、質の高い映像授業を視聴することができます。
スタディサプリと比較した場合、東進のメリットは、
- 担任・担任助手による定期的なコーチングがあること
- 過去問演習講座や志望校対策講座が充実していること
- 講座のレベルが細かく分かれていること
- チューターによる質問対応が対面で行われること
などが挙げられます。
東進は、登校時や在校時に担任・担任助手によるコーチングタイムを設けています。1日の学習内容を確認し、進捗を管理することで、学習量が確保できるようにしています。生徒の性格にもよりますが、対面でのコーチングを受けられるため、様々な悩みなども相談しやすいかもしれません。
また、週に1度グループ・ミーティングが実施され、5〜6人程度の生徒がグループになって切磋琢磨し合う環境が整っています。「仲間と一緒の方が勉強をがんばれる」という生徒にとっては、モチベーション管理がしやすい環境だと言えます。
また、過去問演習講座や志望校対策講座が充実していることも東進の魅力です。東進では、7月・8月に集中的に過去問演習を行います。過去問演習講座では、過去10年分という問題量を解きます。実力派講師の解説を聞いたり、満点が取れるレベルまで復習して添削指導を受けたりすることで、得点力を伸ばすことができます。さらに、「志望校別単元ジャンル演習講座」などと併用することで、過去問の結果をAIが分析して、志望校合格に必要な学習の優先順位を判別してもらえるのも魅力的なポイントです。
その他にも、講座がレベル別に細かく分かれており、志望校に合ったレベルの講座を見つけやすいこと、総合型選抜や学校推薦型選抜に対応した講座があること、チューターが常駐していてすぐに質問できることなども東進のメリットです。
スタディサプリと比較した場合、東進のデメリットは、
- 費用が高いこと
- 受講した講座しか視聴できないこと
が挙げられます。
東進にかかる費用は、高3生の場合、初期費用だけで13万〜14万円程度の費用がかかります。内訳は、以下の通り。
- 入学金:33,000円(税込み)
- 担任指導費:77,000円(税込み)※東進衛星予備校は66,000円(税込み)
- 模試費:29,700円(税込み)
この費用は、スタディサプリ合格特訓コースの年間の費用(約13万円)と同程度であり、これに加えて講座の受講料がかかります。
出典: 東進ハイスクール公式ホームページ
講座も、受講した講座しか視聴することができないため、受講するほどに費用がかかることになります。例えば、90分の授業が20回分の単科受講なら77,000円(税込)の費用がかかります。セットで申し込むことで受講費が安くなる「志望校通期ユニット」もありますが、5講座の受講ができる「志望校通期ユニット5」の費用が352,000円(税込)であり、スタディサプリと比較するとやはり高額です。
東進は、リアルな校舎で対面のコーチングが受けられる、過去問演習や志望校対策が充実しているなどのメリットがありますが、受講料の高さがデメリットです。生徒によって学習塾・予備校に求める優先順位は異なりますので、費用対効果を考慮して選ぶようにしましょう。
なお、東進についてより詳しく知りたい方は、公式サイトから資料請求をしておくとよいでしょう。
代々木ゼミナールと比較
代々木ゼミナールは、直営の代々木ゼミナールと、フランチャイズの代ゼミサテライン予備校を展開している予備校です。授業は、対面授業と映像授業(フレックス・サテライン)の2つの受講スタイルを選べますが、代ゼミサテライン予備校では本部校の対面授業を収録したフレックス・サテラインのみを受講することができます。また、フレックス・サテラインでは、自分のタブレット端末・スマートフォン・PCで映像授業が受講できる「モバサテ」と各校舎の個別ブースを予約して受講するスタイルの「個別ブース」という2つの受講スタイルを選べるのも特徴です。
代々木ゼミナールは、講師の採用率が5%未満とのことで、「講師の代ゼミ」と言われるほどの実力派の講師が揃っています。例えば、西谷昇二先生(英語)、荻野暢也先生(数学)、酒井敏行先生(現代文)など、長年受験業界に携わり、書籍も多数出版している講師が在籍しています。
スタディサプリと比較した場合、代々木ゼミナールのメリットは、
- 総合型選抜・学校推薦型選抜に対応した講座がある
- 月謝制講座がある
- 動画が視聴しやすいシステム
代々木ゼミナールでは、教科の授業の他にも、総合型選抜や学校推薦型選抜の対策講座、2022年度から必修になった「情報」、学校の定期テスト対策、看護系入試対策講座など、幅広い講座が用意されています。そのため、一般選抜以外の対策も必要としている人は、一般選抜にしか対応していないスタディサプリよりも有効です。
また、代々木ゼミナールは、単科受講だけではなく、月謝制の講座も用意されています。対象の講座は限定されていますが、申し込んだ月は受講し放題になる講座で、受講したい月にピンポイントで申し込むことができます。1コマ20分の短時間の講座や1単元が4コマで完結する講座もあるため、スキマ時間を使って学習しやすいのもメリットです。月謝制講座を申し込むと、追加オプションにはなりますが定期テスト対策ができるのも、代々木ゼミナールのメリットでしょう。
ただし、月謝制講座もメリットばかりではありません。月謝制講座は、受講できる講座が4つに限られていることがデメリットです。具体的な講座は、
- 「単元別基礎力完成講座」(英語・数学・国語・理科・地歴・公民)
- 「Trinity総合英語」(英語)
- 「高校教科書完全マスター講座」(数学)
- 「ベーシック問題演習」(英語・数学・国語・理科・地歴・公民)
の4講座です。基礎的な内容の講座しかないこと、対応科目が限られていることを考えると、月謝制講座だけで大学受験を目指すのは難しいでしょう。月謝制講座の費用については、後述します。
システムにおいては、再生速度を細かく調節できたり、画質が変更できたりするのもメリットでしょう。スタディサプリは、再生速度を0.75倍から2.0倍の5段階に変更が可能ですが、代々木ゼミナールは、0.75倍から2.0倍の9段階に調整が可能で、より好みのスピードに設定することが可能です。
また、校舎の個別ブースで視聴する場合に限りますが、高画質再生と標準画質再生が選べて、板書の文字や色が見えやすくなります。シークバー(再生時間をシフトするバー)がサムネイル表示されるので見直しの場所が探しやすかったり、画面を2分割し全体と部分を映すことで板書が取りやすかったりするというメリットもあります。
スタディサプリと比較した場合、代々木ゼミナールのデメリットは、
- 費用が高いこと
- 講座数が少ないこと
- 受講制限があること
代々木ゼミナールも、スタディサプリと比較すると受講料は高額になります。例えば、代ゼミサテライン予備校の場合、
- 入学金:16,500円(税込み) ※減免制度により入学金がかからない場合もある
- 授業料(一例)
レベル別対策講座90分×4回:16,000円(税込み)
共通テスト対策テストゼミ90分×4回:10,400円(税込み)
と、スタディサプリと比較すると費用が高くなっています。
月謝制だと、以下のように比較的授業料は抑えられます。ただし前述のようにデメリットがあることも理解しておく必要があります。
受講科目数 | 月額料金 |
---|---|
1教科 | 12,100円(税込み) |
2教科 | 19,800円(税込み) |
全教科(3教科以上) | 24,200円(税込み) |
月謝制講座 +定期テストPREP (1教科) |
15,400円(税込み) |
月謝制講座 +定期テストPREP (2教科) |
24,200円(税込み) |
月謝制講座 +定期テストPREP (全教科(3教科以上)) |
29,700円(税込み) |
出典: 代々木ゼミナール公式ホームページ
講座数は、年間2,000講座以上のラインナップがあり、十分に受験対策ができますが、動画の本数で言えばスタディサプリの方が多くなっています。特に、中学の内容に遡って学習したいような場合には、スタディサプリを利用する方がよいでしょう。また、ピンポイントで復習をしたい時にも、単元別に動画がまとまっているスタディサプリの方が使い勝手がよいかもしれません。
「モバサテ」はいつでもどこでも受講が可能ですが、5回までという視聴制限があるのがデメリットです。1日何回再生しても1回とカウントされるので、実質的に5日間の視聴制限ということになります。「個別ブース」は、1回90分の受講になっていて、ICレコーダーなどによる音声の録音はできますが、録画は禁止されています。いずれの場合も、受講回数に制限があり、追加受講をするためには追加料金が必要になるのはデメリットです。
代々木ゼミナールは、一般選抜以外にも対応した講座が豊富、月謝制のシステムで定期テストの対策もできるなどのメリットがありますが、受講制限があることがデメリットです。東進と同様に、優先順位や使用目的をよく考えて、どの学習塾・予備校に入るのか、通信教材で学習をするのかを選ぶようにしましょう。
スタディサプリ大学受験講座の口コミ・体験談
ここではスタディサプリ大学受験講座を実際に利用した受験生の、口コミ、体験談をみてみましょう。ネットアンケートで、実際に受験に活用した人の意見を集めてみました。
Q、スタディサプリを始めようと思った理由は何ですか?
Q、スタディサプリで得られた成果はありますか?
今回のアンケートでは今の共通テストにあたるセンター試験で成果が出たという口コミが多く見受けられました。共通テスト対策講座も全て見放題で、共通テスト類題にも取り組むことができるため、共通テストを受ける方は利用を検討してみるとよいでしょう。
スタディサプリ大学受験講座と高校講座との違い
高校生向けのスタディサプリのコースには、「高校講座」と「大学受験講座」があります。高校講座は高校の学習範囲を学べる講座で、大学受験講座は入試対策ができる講座です。
高校講座は、高校の学習内容に対応しているので、高校の授業の予習や復習に活用することもできます。また、高校講座で特徴的なのが、資格対策講座があることです。資格対策講座には、「実用英語技能検定対策講座」「公務員対策講座」「簿記対策講座」という3つの講座があり、資格試験や公務員試験の対策に必要な学習ができるようになっています。
大学受験講座は、志望校対策講座や共通テスト対策講座が用意されていて、受験対策ができる講座になっています。ただ、大学受験講座を受講した場合でも、すべての動画が視聴できるため、高校の学習内容に遡って受講することもできます。
高校講座と大学受験講座について、スタディサプリの成り立ちからお話しすると、元々スタディサプリは大学受験講座しかありませんでしたが、その後高校講座ができました。さらに、様々な高校に導入していく中で、ベーシック講座や東大対策講座など、幅広いレベルの講座が充実してきたという経緯があります。
高校講座と大学受験講座のどちらを受講するかは、学年によって使い分けるというより、個人の学習進度や学力によって使い分けるのがおすすめです。例えば、進学校に通っていて、高校1年生までに高校の学習範囲をある程度終えている場合は、高校2年生から大学受験講座を受講するのがよいでしょう。
国語に関して言えば、学年の学力差よりも個人の学力差の方が大きいので、高校1年生でも大学受験講座の受講をおすすめすることもあります。進度が早い中高一貫校生や国語が得意な生徒は、スタディサプリ高校講座でどんどん速習をして、早めに大学受験講座に入るのがおすすめです。一方で、英語や数学などの積み上げが必須の科目は、高校講座の内容をしっかりと身につけてから大学受験講座に入る方がよいかもしれません。
どちらの講座を受講するかは、個人の学力や高校の学習進度によりますし、受講したい講師の授業を視聴するという生徒もいますので、自分に合う講座を選択するようにしてください。
スタディサプリ大学受験講座の無料体験を試そう
スタディサプリは、契約から14日間は無料体験期間となっており、無料でコンテンツを利用することができます。無料体験期間でも機能に制限はないため、動画を視聴してみたり、アプリの使い勝手を確認してみたり、合格特訓コースならコーチとのやり取りを体験してみたりすることが可能です。
「自分には合わないな」と感じたら、電話1本で簡単に解約することもできます。無料体験期間では、費用は一切かかりませんし、しつこい勧誘もありませんので、まずは無料体験を試して、スタディサプリのよさを体験してみるとよいでしょう。
スタディサプリ大学受験講座のまとめ
スタディサプリ大学受験講座は、志望校対策講座や共通テスト対策講座など、受験対策ができる講座です。約4万本の「神授業」が見放題で、高校や学習塾でも導入されている有益な学習サービスだと言えます。また、学習塾や予備校よりも低料金で受講することができるので、費用を抑えて受験勉強をしたい方にもおすすめです。
ただ、映像授業を視聴しただけでは学力が身につきませんので、自分で学習管理をするか、合格特訓コースでコーチングを受けるなどの方法が必要になります。スタディサプリを利用するかどうか迷っている生徒は、まずは14日間の無料体験をして、自分にあっているかどうかを判断するとよいでしょう。
私はスタディサプリに参画する前に大手の予備校で勤務していましたが、スタディサプリに参画して感じたのは、授業のクオリティが相当高いということです。私自身も、「どの学習塾や予備校と比較してもハイクオリティだと胸を張って言えるように」という思いを持って動画をつくっています。ぜひ、スタディサプリを使って、志望校合格を叶えていただけたらと思います。