「記憶+復習」のペースが守れていない

「4日2日ペース」を守らない
英単語をなかなか覚えられない理由とは?

 1つ目の失敗パターンとして、遠藤さんは、武田塾が勧める「4日2日ペース」を守れていないことを挙げます。「4日2日ペース」とは、4日間で新しい範囲を進め、5日目と6日目に復習するという勉強法。1週間で同じ範囲の英単語に複数回触れることで記憶を定着させるやり方です。たとえば、1日100個ずつ進めるとして、4日間で計400個、5日目と6日目には1〜400を復習します。

 しかし、実際には、5日目に401〜500、6日目に501〜600へ進んでしまう人が多いとのこと。それでは、最初の英単語に戻るまでの間隔が開きすぎ、定着しにくくなってしまうのです

 また、清水さんは、取り組む時間がシンプルに少ない、と補足。1日10分程度では足りない、60分〜90分をかけて100個を覚えるくらいの時間投入が必要だとしています。

英単語を発音と結びつけて覚えていない

 遠藤さんが挙げた次の失敗パターンは、英単語を発音と結びつけて覚えていないことです。ペーパーの英単語テストではある程度正解を選べるのに、音声で尋ねると反応できない生徒がいる、と紹介します。

 これは、英単語を字面だけで覚えている状態です。発音が頭に入っていないと、音読やシャドーイングで詰まりやすくなり、その英単語が長文の中で急に出てきたときにも意味を取り出しにくくなります

 対策として、まず英単語の音声を聞き、自分でも発音してみることが大事だという遠藤さん。清水さんも、ネイティブのような完璧な発音でなくても、自分の中で読める状態にすることが大切だと述べます。また、遠藤さんは、発音記号は20〜30分前後で一通り覚えられるため、苦手な人ほど早めに触れておくとよいと付け加えています。

「アプリの4択」だけで覚えたつもりになる

 遠藤さんは、アプリの4択問題だけに頼ることも、英単語を覚えられない人に多いパターンとして挙げます。アプリは便利ではあるものの、4択だと答えが画面上に出ているため、記憶から自力で引き出す負荷が弱くなります

 4択なら25%の確率で当たることもあり、なんとなく正解を選べた英単語を「覚えた」と勘違いしやすい、と遠藤さんは指摘。清水さんは、単語帳を使い、赤シートで隠してテストする、覚えにくい単語だけを紙に抜き出してテストするなど、自力で思い出す確認の仕方を勧めています。

完璧を求めすぎて後半に行き着けない

 最初から完璧にしようとして後半が覚えられないのも、失敗パターンの一つ。単語帳の前半だけ完璧でも、その先に進めないのでは、入試で必要な英単語全体をカバーしにくくなります

 遠藤さんが例に挙げるのは、2日目に前日分の1~100の復習で完璧に覚えられていないことに絶望して、当日にやるべき101~200に進めない、というケース。復習も大事ですが、とりあえず次の101~200に触れてほしい、と伝えます。

 清水さんは、100覚えたつもりでも80になってしまうのが人間だと説明。だからこそ、4日間は新たな範囲へ進み、5日目と6日目で上塗りするペースを推奨しているわけです。抜け漏れはある前提でまず決めた範囲を進め、復習日に抜けた部分を補って、最終的に完成度を上げていく流れが重要だと話します。

朝・夜の時間帯に英単語に触れていない

 遠藤さんが最後に挙げるのは、朝と夜に単語へ触れるルーティーンがついてないことです。遠藤さんは、1日の中で英単語に触れてほしい時間帯として、朝と夜を推奨。記憶が整理される睡眠の前後で英単語に触れることで、頭に残りやすくなる可能性があると述べます。たとえば、夕方にその日の100個を一通り覚えたら、夜寝る前に復習し、翌朝にも再度確認。さらに、朝は新しい単語にも入るとよい、とのこと。

 実際に遠藤さんは受験期に、起床時・通学中・学校・帰宅中・夕食後・寝る前など、1日に8~10回触れていたそうです。最初は時間がかかっても、回数を重ねると100単語の確認が5分前後で終わるようになる、と話しています。

まとめ

 英単語を覚えられない人のパターンから英単語暗記の大切なポイントが紹介されました。英単語を覚えられないと悩む人は、単語帳を進めるペースや発音の重要性、確認方法や時間帯について、見直す余地がありそうです。(次ページに解説動画あり)