数学を伸ばすには時間がかかる
国公立と私立文系の受験の大きな差として、高田さんが最初に挙げているのが、数学が必要かどうかです。私立文系では、多くの場合、英語・国語・選択科目の3科目で受験できます。選択科目では、たとえば日本史、世界史、政治・経済などで受験可能です。
一方、数学は伸ばすまでに時間がかかる科目だと高田さんは説明します。武田塾で推奨している教材を例に挙げ、ⅠA・ⅡBCを合わせると約300問以上ある、とのこと。さらに共通テスト対策や上位レベルの演習まで進めるとなると、部活引退後の短期間では負担が大きくなりやすい、という見解です。
そのため、高田さんも遠藤さんも、歴史や政治・経済などに切り替えての3科目受験を勧めています。特に政治・経済は、数学や歴史と比較して短期間で終えられる可能性がある、ということです。
共通テストの難しさは逆転合格向きではない
次に、話題となっているのが、共通テストの難しさです。共通テストは処理量が多く、短い時間で資料や選択肢を読み解く力が求められるため、逆転合格を狙う受験生には相性がよくない、と高田さんは指摘します。読解力が必要なのは、英語や国語だけでなく、数学や社会でも同様。部活引退後、限られた演習量で勝負する受験生にとって、計算力や読解スピードを今から一気に鍛えるのは簡単ではありません。
一方、私立受験では勉強をそのまま活かしやすい、と解説。遠藤さんも、共通テストの問題がひねられているのに対し、私立文系では努力が成果に結びつきやすい、と強調します。
また、国公立受験の場合、共通テストが一発勝負になる点でも心理的な負担になる、と高田さんは話します。私立であれば5校前後、多ければ8~10校受験するケースもあり、複数回チャンスを作れる点が強み。心理的にも私立の方が圧倒的に余裕を持って受験できる、と遠藤さんも述べます。
部活引退後に全教科を仕上げるのは難しい
高田さんが3つ目のハードルとして挙げるのは、国公立受験の科目の多さです。科目数の多い国公立受験は、マルチタスクが得意な人向き。しかし、これまで部活に集中してきた生徒はマルチタスクの苦手な人も多く、残りの勉強時間を考えると、科目を絞った方が現実的だと語ります。
遠藤さんも、自身の経験を踏まえ、逆転合格に必要なのは集中力と継続力と断言。自身の受験では、文法など一つの課題に集中する形でしっかりと取り組んでいたものの、数学や理科まで並行してやるとなると厳しかったのではないか、と振り返ります。
国公立大学より私立大学文系を選ぶメリット
高田さんは、私立大学文系の例としてMARCHや関関同立を挙げ、部活引退後から進学できたら「大ハッピー」だと伝えます。遠藤さんが私立文系を選ぶメリットとして話すのは、全国の優秀な人と会え、人脈が広がるという点。加えて、高田さんは、OB・OGや企業とのつながり、卒業後の可能性にも言及し、人生単位で考えたときのメリットは大きい、と伝えます。
特に、関西大学や関西学院大学は、問題傾向を絞って対策しやすいという意味でおすすめだそう。半年ほどの期間で3科目に集中するなら、地方国公立を狙うよりも戦略を立てやすい、ということです。
また、高田さんは、対策を3科目に絞りつつ、国公立を受験する選択肢も示しています。滋賀大学経済学部、東京都立大学法学部など、3教科で受けられる国公立を選んで第一志望にする方法です。共通テストの壁は残るものの、私立対策をメインにしながら併願を組む方法もある、と助言します。
まとめ
高田先生は部活引退から逆転合格を目指す場合、国公立より私大文系に絞って対策することを推奨。理由としては、数学の負担の大きさや共通テストの難しさ、科目数そのものの差が挙げられています。MARCH・関関同立などへの進学はメリットも大きく、将来を考えると科目を絞った戦略の方が現実的だと伝えています。(次ページに解説動画あり)

