子どもが伸びる学校の見分け方
――とはいえ、生徒の力を信じず、自分の思いを押し付けて生徒を「評価」する先生はいます。
唐澤 「あの子はこういう子だ。将来はこういう方向に進めばいい……」と、カテゴライズする先生がいます。評価をする先生には、自分で学ぶ力を持つ生徒なら近づかないでしょう。
――中学受験を考える子どもの保護者が、「子どもが伸びる学校」を選ぶ際のヒントになりそうなことはありますか。
難波 例えば、学校説明会で「うちの子を伸ばせますか」と聞いて、「はい、伸ばして見せます」という先生がいたとします。自分がどの子どもも伸ばせると思っている先生のいる学校は、子どもが大学進学後に何を学びたいかを自分で考える機会を設けることなく、いわば、伸びしろのない状態にして大学に送り込みがちです。
飯泉 学校側が伸ばそうと思って引っ張ると、子どもが嫌になってしまい、本来持っている能力を発揮できず、余計縮んでしまう。一部の進学校ではそれが顕著に出ていると思います。
難波 子どもは伸びるものであって、教員が子どもを伸ばすことは、まずありえない。伸びることができるような環境をつくることが大事だということを、「探究活動」を通じてそう強く実感しています。
――子どもが伸びる学校の見分け方という点では、生徒の力を信じることが「探究活動」の本質であることを理解している教員がいて、生徒の自主的な学びに合わせてカリキュラムを修正していけるか、そのためのコンテンツを持っているかが判断基準になるのではないでしょうか。