近隣県ねらいが圧倒的な中国四国

 中国四国9県から公立校ベスト50に9校が入ったが、四国からはゼロだった。
 
 鳥取県は50位県立鳥取西が唯一で、鳥取大62人、島根大21人、岡山大16人、広島大11人と隣県までが圧倒的に多く、旧帝大では北海道大・大阪大各6人、九州大4人、東京大3人、京都大2人と分散している。ちなみに112位県立米子東は、鳥取大40人、島根大32人、広島大24人、岡山大23人、神戸大12人と近隣県にさらに多くが合格、旧帝大では大阪大6人、名古屋大4人、九州大3人などやはり分散している。

 島根県は28位に県立出雲が入った。島根大45人、鳥取大18人、広島大・山口大各16人、島根県立大15人で、旧帝大は九州大9人、大阪大7人、北海道大5人が目に付く。ちなみに117位松江北は、島根大35人、岡山大14人、広島大・鳥取大各13人、山口大12人、島根県立大11人、旧帝大では京都大・大阪大各5人、九州大4人と西日本に収まっている。

 岡山県トップは中等教育学校の32位県立岡山大安寺となった。他の県立高校の半分程度の卒業生数で岡山大22人、大阪大18人、東京大9人、広島大・神戸大各6人という合格実績を上げているのは立派だ。36位県立岡山芳泉は岡山大81人、香川大21人、岡山県立大15人、九州大12人、愛媛大11人と地元の比重が増している。県西部では60位県立倉敷青陵が岡山大65人、九州大18人、香川大16人といった具合で、岡山芳泉と同様の傾向にある。

 ちなみに岡山5校の残り3校はどうか。84位県立岡山朝日は岡山大59人、香川大20人、神戸大・徳島大各12人と近隣県も多いが、東京大・京都大各17人、大阪大14人、九州大13人といった具合に旧帝大も多い。92位県立岡山操山は岡山大48人、香川大13人、広島大・鳥取大各7人、島根大・山口大・神戸大各5人だが、旧帝大も大阪大12人、京都大8人、東京大4人と健闘している。159位県立岡山一宮は岡山大63人、香川大34人に集中しており、岡山大60人の137位県立岡山城東と競い合う状況にあるようだ。

 広島県では中学校を併設する37位県立広島(東広島市)がトップとなった。広島大47人、山口大13人、愛媛大9人、神戸大7人のほか、旧帝大には九州大10人、大阪大7人、東京大5人、京都大3人が合格している。66位広島市立基町(広島市中区)は広島大74人、九州大25人、山口大17人、大阪大15人、京都大・愛媛大各12人、神戸大10人と県立広島を上回る印象も受けるが、国公立大合格率が基町75.6%に対して県立広島は82.3%と大きいことで押し切った感もある。ちなみに同じく広島市立の91位広島中等教育学校(広島市安佐北区)は他校の半分程度の卒業生数で、広島大15人、山口大13人、岡山大6人、大阪大5人、九州大4人など近隣県を中心に細かく合格を得ている。

 山口県は16位県立山口が山口大75人、九州大27人、広島大19人、岡山大14人、東京大10人なのに対して、26位県立宇部は山口大75人、九州大17人、岡山大9人、広島大8人、京都大5人となっている。ちなみに118位県立徳山は山口大40人、岡山大23人、広島大17人、九州大10人で近隣県中心だ。

 公立校ベスト50に1校も入らなかった四国だが、各県の公立校ランキング上位の代表的な公立進学校を見ておこう。香川県トップの105位県立丸亀は香川大43人、岡山大23人、広島大15人、大阪大・神戸大各12人、京都大・徳島大各10人、そして東京大4人である。これに対して126位県立高松は、香川大36人、大阪大・神戸大各18人、岡山大15人、広島大13人、東京大・京都大各12人と、旧帝大・旧官立大志向がだいぶ強い。

 愛媛県では122位県立松山南が愛媛大123人と圧倒的で、岡山大21人、広島大11人となっている。これに対して141位県立松山東は、愛媛大86人、九州大28人、広島大23人、大阪大19人、岡山大16人、神戸大11人、東京大9人、京都大7人と、旧帝大や旧官立大まで幅広い。香川県同様、67%の松山東より松山南は75%と上回っている国公立大学合格率の差が、公立校ランキングの順位に影響している。
  
 徳島県トップの137位県立城東は徳島大48人、香川大11人、神戸大10人で、高知県トップの110位県立高知追手前は高知大44人、香川大11人、愛媛大10人と四国内が中心となっている。