近畿2府4県公立校の合格力

 今回は西日本の各府県について見ていく。ただし、北陸3県については次回の東日本編で扱いたい。まずは近畿2府4県である。公立校全国ランキングベスト50のうち10校が入っている。

 滋賀県は(全国順位)34位膳所のみとなった。合格者数の多い国公立大は大阪大55人、京都大46人、神戸大29人、大阪公立大26人、滋賀医科大19人で、名実共に県下ナンバーワン公立進学校である。ちなみに201位彦根東は滋賀大19人、大阪大17人、神戸大13人、京都大・大阪公立大各12人、滋賀県立大10人と、地元志向が強い様子がうかがえる。

 京都府では公立校50位内に京都市立の2校が並んだ。3位市立堀川は京都大59人、大阪大26人、神戸大22人で、近畿圏の公立校では大阪府立北野に次ぐ京都大合格者数を誇っている。中高一貫校の52位市立西京は、京都大42人、神戸大27人、大阪公立大21人、大阪大19人、京都工芸繊維大16人といった具合で、市立校同士の切磋琢磨(せっさたくま)がうかがえる。

 大阪府は22位府立茨木がトップとなった。大阪大78人、神戸大39人、大阪公立大27人、京都大26人と地元大阪大への合格実績が傑出している。次いで、27位府立北野と28位府立天王寺がほぼ互角の国公立大学合格力である。北野は京都大81人、大阪大53人、大阪公立大32人、神戸大29人であるのに対して、天王寺は京都大47人、大阪大46人、大阪公立大44人、和歌山県立医科大12人、大阪教育大11人となっている。京都大への力の入れ具合に違いがある。37位三国丘は大阪公立大59人、大阪大39人、神戸大31人、京都大22人、和歌山大19人となっており、堺市という立地をうかがわせる。

 兵庫県は8位に県立姫路西が入っている。隣県の岡山大40人が突出、京都大・神戸大各25人、大阪大19人と続く。同じ播州からは19位加古川東が上位に入り、神戸大39人、兵庫県立大38人、大阪大・大阪公立大各26人、京都大19人、岡山大17人となっている。
 
 神戸市内では、13位県立長田は大阪大・神戸大各41人、兵庫県立大34人、京都大27人、大阪公立大20人であるが、76位県立兵庫になると神戸大47人、兵庫県立大38人、大阪大20人、大阪公立大18人と地元色が色濃く、101位県立神戸は神戸大41人、京都大29人、大阪大28人、大阪公立大24人といった具合で各大学の微妙な合格者数の差が興味深い。ちなみに、115位市立西宮は、大阪大・神戸大各41人、大阪公立大30人と志望先の絞り込みが鮮明だ。

 奈良県と和歌山県は50位以内どころか100位以内にも入っていない。奈良県トップは141位県立奈良で、大阪公立大66人、神戸大41人、大阪大32人、京都大21人とはっきりしている。残る県立御三家の274位県立畝傍は大阪大21人、大阪教育大17人、三重大16人、神戸大14人、804位県立郡山は大阪公立大25人、神戸大・大阪教育大各8人とパワーダウンしている。

 和歌山県トップは190位県立桐蔭で、和歌山大31人、大阪公立大26人、和歌山県立医科大14人と地元志向が強く、大阪大12人、京都大9人が続く。198位県立向陽は和歌山大46人、和歌山県立医科大16人、大阪公立大15人、神戸大10人とさらに地元の重みが増している。