駿台予備学校予備学校
出典: 駿台予備学校の公式サイト

駿台予備学校は、幅広い学力層に対応

 駿台予備学校の現在のパンフレットの表紙には「DIVERSITY OF STUDY」と書かれている。駿台予備学校というと難関大学に特化した予備校というイメージがあるが、現在は幅広い学力層にも対応している。そのため入学のための試験はない(選抜クラスを除く)。

 クラスも学力別に「基礎」「標準」「難関」「選抜」と4段階に分かれている。また、科目別にクラスが分かれるので、「実力以上に難しい問題に取り組んで、解けない、身につかない」と苦戦する状態にならない。

「高校1年では標準クラス、高校2年では難関クラス、高校3年で選抜クラスと移っていき、最難関国立大に合格する生徒もいます」(駿河台学園コーポレートPR部 中村聡明次長)

 合格体験記を見ても、学習院大学に合格した生徒もいれば、東大に合格をした生徒もいる。また、入試形態の多様化にも合わせ、時には総合型選抜の書類選考対策として志望理由書の添削をしたり、面接試験対策として模擬面接をしたりする。医学部入試においては、重要なポイントである面接対策を志望大学の面接形式に合わせて実施している。

質にこだわった良問ばかりのテキスト

 オリジナルテキストを使用。問題は多く載っておらず、分厚くもない。1つの問題にその分野で必要な要素が詰まっている。その選ばれし良問を深掘りしていくことで学力が固まっていき、得点を取る力も上がってくるようになっている。

 数学のテキストはまず基本事項、予習用の例題、授業用で解く問題、そして復習用の例題があり、無理なくステップアップできるように作られている。英語で最初に掲載される英文は行間に余裕があり、生徒が書き込めるようになっている。さらに同じ英文が後ろにも載っていて、同じ文章で繰り返し学習する。量より質を重視する駿台予備学校の方針に合ったテキストだ。

 このシンプルなテキストを使用し、講師は複数の視点を提供し、多視点から問題を見ていく。たとえば、数学は1つの問題に対していくつもの解法を学び、応用力を身につけていく。各科目の講師が協力し合いながら、毎年改訂を重ね、より良いものに磨き上げていく。

授業中にアウトプットする時間も

 クラスの人数は20人から40人。お茶の水校だと比較的大人数になるが、他の校舎のクラスによっては一桁の場合もある。一方、高校3年の人気の授業になると100人ということもある。

 授業は、生徒が予習してきた内容を講師が解説することが中心になる。人気の講師ともなると、その解説がわかりやすく、提示される解法や情報は洗練されている。各科目・各分野を習得するのに重要な「原理原則」を教えていく。

 予習した内容を解説してから、生徒に授業用の問題を解かせて再び解説をする。そのため、生徒は授業中に理解し、ある程度、問題が解けるようになった状態まで授業で仕上げる。さらにノートをきちんと取らせ、それをもとに質のいい復習ができるようにする。

指導力の高いベテラン講師がそろう

 老舗のトップ予備校であるためか、離職率が低く、ゆえにベテランの講師が多い。講師を大量採用する塾などの場合、授業をマニュアル化することが多いが、駿台予備学校は大量採用ではないのでそういったことはしない。スキルの高い講師たちが自分の裁量で工夫をし、授業を進めていく。

 駿台予備学校の講師は知識量が豊富で、授業のスキルが高く、指導力も高い。その日の学習の中で何が重要で、何が必要でないかを把握している。研修により、数学科、英語科などの科目ごとにベテラン講師から後輩たちに授業法が継承されていく。

「知識の引き出しが豊富な講師たちなので、テキストはシンプルです。講師が授業で必要なことを伝えていきます」(コーポレートPR部 中村聡明次長)

 また、講師室の入り口は開放されており、生徒は講師に質問に来ることができ、マンツーマンで指導を受けられる。

 全員がプロ講師で学生のアルバイト講師はいない。学生のアルバイトはクラスリーダーという肩書きで授業をフォローをしたり、質問対応をしたり、学習進度や勉強の仕方の相談に乗ったりする。クラスリーダーは駿台予備学校の卒業生かつ現役大学生だ。目標の大学に通っている学生と接するのは、生徒のモチベーションを上げることにもつながる。

atama+や塾生専用アプリで授業外のフォローも充実

 駿台予備学校では学習にタブレットを導入している。学習アプリ「atama+」を採用。駿台予備学校のカリキュラムに合わせて、atama+で学習をしていく。宿題になるわけだが、メリットは「何が足りてないか」「どこからやり直せばいいか」が明確にわかり、実際、その足りてない部分のやり直しができる。

 学習がうまくいかない場合、基礎が抜け落ちているケースがほとんどだ。しかし、生徒自身はどこが足りてないかがわからない。それをAIが判断して提示してくれるわけである。従来なら、家庭教師や個別指導を利用しなければならない「基礎の補強」を、atama+があれば生徒一人で行うことが可能だ。

 また、塾生専用アプリ「manabo」を通して、いつでもどこでも駿台予備学校の授業や模試などの質問が可能だ。予約はいらず、音声通話、チャット、ホワイトボード、画像共有によりリアルタイムで答えていく。対応するのは駿台予備学校の講師と、PT(プライベート・ティーチャー)というオンライン家庭教師たちだ。PTは現役の大学生である。わからない問題を撮影し、manaboアプリに投稿するとオンライン指導がスタートする。

 これによりわからない問題を放置せず、その場で解決ができるようになる。中には講師やクラスリーダーに、対面で質問をするのが苦手な生徒もいるだろう。そういった生徒も積極的に質問ができるシステムだ。

 欠席した時のフォローのためのシステム、「ComiruAir」もある。駿台予備学校の通常授業は録画しているので、授業をもう一度見たい時には映像を見ることで、再度授業の内容を振り返ることができる。体調不良や部活動の試合などで授業を欠席してしまっても、いつもの授業を受講できる。

個別ブースや多目的ホールで自習が可能

 お茶の水校3号館は、花の模様をかたどった壁絵がポップな色で描かれる、明るい雰囲気の内装だ。自習室はついたてが設置された個別ブースタイプで、1階の受付で予約をし、指定された番号の席で学習をする。

 また、多目的スペースのフロンティアホールでも自習が可能だ。こちらのスペースは仲間と勉強を教え合ったり、食事をしたりすることもできる。生徒によっては、あまりに静かな環境では学習しにくい場合もあり、こういった多目的なスペースがあることは学習のプラスになるだろう。

豊富なデータをもとに進路をアドバイス

 駿台予備学校では講師やクラスリーダー以外に、進路アドバイザーというスタッフがいる。部活動や学校生活と勉強の両立、志望大学の選択など、大学受験のことはどんなことでも進路アドバイザーに相談できる。

 例えば、国立大学の理系を狙うとして、駿台予備学校でどの科目を学習すべきか悩んでいるとしよう。理系でも共通テストでは古文や地理を課されるが、それらを駿台予備学校で受講するのは時間的に不可能だ。その場合、数学や英語などの主要科目を駿台予備学校で学び、古文や地理など共通テストで課される科目は、学校の授業を中心に学習するといった学習計画を進度アドバイザーが一緒に考える。

 入試改革で入試方式の変化が激しい中では、正確かつ最新の情報が必要だ。昨今では医学部や国立大学も総合型選抜入試を始めているが、そういった入試情報も提供できる。

 現在、自社で大規模な模試を実施し、精密な偏差値データを出せる予備校は少ない。その一つが駿台予備学校だ。特に難関大を受ける受験生はまず駿台予備学校の模試を受けるので、難関大受験に関して駿台予備学校は正確かつ豊富なデータを持ち、進路指導でそれらの情報を生徒や保護者に提供できる。共通テストの点数次第では、国立や私立大学の出願先も変わってくるが、それらの細かいデータ分析は生徒や保護者だけではできない。そういった時に駿台予備学校の豊富な情報量が役に立つ。

駿台予備学校に合う子・合わない子

 大学受験対策の予備校や塾は多く存在するが、その中でも駿台予備学校は、難関大学対策でトップの予備校である。そのため、学習へのモチベーションが高い生徒には理想的な環境である。

 一方で、学習スケジュールの管理までやってくれる予備校や塾もあるが、駿台予備学校はそういったことはしない。学習習慣を一から身につけてほしい、学習スケジュールの管理もしてほしいといった生徒には合わないこともあるだろう。

駿台予備学校の基本情報

【駿台予備学校】
校舎数

全国35校(オンライン校含む)

生徒数 非公表
授業料

地区・学年によって異なる。

自習室の有無 あり(校舎が開いている時間)
質問対応

講師は授業前後に対応。

また、大学生のクラスリーダーによる対応、オンライン(manabo)での対応もあり。

授業の生徒数 学年・クラスによって異なる。
専任講師の比率 非公表
生徒の男女比 非公表
【高校部】
校舎数

12校舎

生徒数 非公表
授業料

HPからご確認ください。

※変更の可能性がございますのでご確認の程お願いいたします。

自習室の有無 あり
質問対応

授業の前後や自習室利用時に個別対応、

またはオンライン質問システムにて自宅から質問可能

授業の生徒数 非公表
専任講師の比率 100%
生徒の男女比 非公表