【都内編】総合型選抜で、面接・小論文のみで受験できる私立大学

 都内には多数の大学があり、教科試験なしで受験できる大学も多くあります。その中でも、難関で有名な大学を紹介します。

慶應義塾大学

 慶應義塾大学では文・法・総合政策・理工・看護医療・環境情報の6つの学部で、教科試験なしで受験ができる総合型選抜を実施しています。全体で10学部ある中で半分以上が実施しているため、志望している学部がある人はぜひ受験することをおすすめします。また、学部の中には定員数が多い入試もあるため、比較的広めの枠となっている学部もあります。

慶應義塾大学 文学部 自主応募制 2025年度入試
募集人員 出願条件 出願書類 1次選考
120

・現役のみ

・専願

・評定平均4.1以上

・調査書

・評価書

・自己推薦書

・総合考査Ⅰ・Ⅱ
※参考: 慶應義塾大学HP

 例を挙げると、文学部では書類審査と総合考査といういわゆる総合問題で受験することができます。出願条件については、現役・専願・評定平均4.1以上を満たす必要があります。条件のハードルは高めですが、募集人数は120人と多いのがおすすめする理由です。

 総合考査では2種類の問題が出題されます。総合考査Ⅰでは小論文形式を採り、各種資料に対する理解力、文章構成、表現力、分析力等を総合的に考査されます。総合考査Ⅱでは、与えられたテーマについての記述が評価されます。文章を読んで理解する力と記述する力の両方が必要となるため、対策が必須となっています。

青山学院大学

 青山学院大学では文・教育人間科学・地球社会共生・国際政治経済・法・経営・社会情報・コミュニティ人間科学の8つの学部で、教科試験なしで受験ができる総合型選抜を実施しています。青山学院大学も多くの学部で実施されていることが特徴です。定員は学部によってかなり差があるため、志望する学部学科の募集要項をしっかりと確認するようにしましょう。

青山学院大学 地球社会共生学部 自己推薦Ⅰ 2025年度入試
募集人員 出願条件 出願書類 1次選考 2次選考
31

・現役のみ

・専願

・評定平均3.8以上

・英語外部検定利用スコア

 :英検2級以上など

・志望動機

・理由書

・調査書

・主体性

・多様性

・協働性に関する経験

・検定試験証明書など

・書類選考

・小論文

・面接

※参考: 青山学院大学HP

 青山学院大学の地球社会共生学部の自己推薦Ⅰの入試では、書類選考と小論文・面接で受験することができます。また、出願時の条件として英語外部検定試験のスコアの提出が求められます。英検の準1級以上であれば、外部検定スコアのみの提出で出願可能です。ただし、ボランティア活動の実績やスポーツに優れていることなどをアピールすることができるなら、英検2級以上でも出願が可能となっています。アピールできる項目は募集要項に細かく記載されていますので、確認してみてください。

成城大学

 成城大学では文芸・法・経済・社会イノベーションの4つの学部で、教科試験なしで受験ができる総合型選抜を実施しています。成城大学の特徴としては、総合型選抜を実施している全学部が併願可能という点が挙げられます。総合型選抜で併願可能な他学部、他大学に合格できれば、滑り止めとして確保することも可能で、受験で上手に使えると合格率を上げることができます。

成城大学 法学部 総合型 2025年度入試
募集人員 出願条件 出願書類 1次選考 2次選考
10

・既卒可

・併願可

・評定平均なし

・志願理由書

・調査書

・書類審査

・文章読解力審査

・面接
※参考: 成城大学HP

 成城大学の法学部の総合型では書類審査と面接、文章読解力審査で受験することが可能です。大きな特徴としては、既卒も受験可能かつ評定平均の基準もないため、多くの人が受験することができます。1次試験で実施される文章読解力審査では、6000字から10000字程度の論理的かつ主張のある文章を提示し、客観的かつ批判的な読解力が審査されます。文字量が多いため、文章読解力が重要となります。しっかりと対策してから本番に臨むようにしましょう。

【関西編】総合型選抜で、面接・小論文のみで受験できる私立大学

 次に関西圏にある大学を紹介します。関西でも探してみると多くの大学が総合型選抜を実施しているため、ぜひ確認してみてください。

立命館大学

 立命館大学は、法学部以外のすべての学部で総合型選抜を実施しています。理工セミナー方式では教科試験が課されますが、それ以外の総合型選抜では、教科試験なしで受験することが可能です。評定平均の基準も3.2〜3.5程度が多くなっており、総合型選抜が使いやすい大学といえます。

立命館大学 経済学部経済学科 情報・数学重視方式 2025年度入試
募集人員 出願条件 出願書類 1次選考 2次選考
12

・既卒可

・専願

・評定平均の基準なし

・立命館大学指定の

 学習プログラムにて

 修得認定試験を合格した者

・志望理由書

・出願者申告書

・調査書等

・書類選考

・プレゼンテーション

・面接

※参考: 立命館大学HP

 立命館大学経済学部経済学科の情報・数学重視方式では、出願資格・要件を満たせば書類選考とプレゼンテーション・面接で受験することができます。立命館大学UNITE ProgramというAI学習プログラムにて、経済学部の2つの指定単元型のうち、いずれかの修得認定試験に合格することが要件となっていますので、事前に確認することが重要です。これに合格できれば、既卒生でも受験可能です。また、2次試験のプレゼンテーションでは、資料をパソコンのPower Pointで作成する必要があります。

関西学院大学

 関西学院大学では、14学部すべてで総合型選抜を実施しています。総合型選抜の種類も多く、探究評価型・学部特色・グローバル・スポーツ選抜の4つの選抜形式が実施されています。選抜形式は学部学科によって異なりますが、教科試験がない入試も多く実施されているので、志望する学部学科の情報を確認するようにしましょう。

関西学院大学 商学部 探究評価型 2025年度入試
募集人員 出願条件 出願書類 1次選考 2次選考
5

・既卒可

・専願

・評定平均の基準なし

・外部検定スコア2級以上

 (理系学部は準2級以上)

・自身の探究活動について、

 発表会やコンテントなどで

 発表を行った者

・探究活動の成果物と

 関連する書類

・調査書

・検定試験証明書

・書類選考

・プレゼンテーション

・面接

※参考: 関西学院大学HP

 例として商学部の探究活動型入試を紹介します。探究活動型は中学校もしくは高校で、自ら見つけた疑問や課題について調査し、課題解決に取り組む活動を行った学生向けの入試です。学生時代にどのような探究活動を行ってきたかが重要となるため、少しハードルは高いのですが、もし条件に満たしているならぜひ出願することをおすすめします。探究活動の定義は入試要項に記載されているので、これまでの活動が当てはまるかをぜひ確認してみてください。

教科試験がない総合型選抜を受験する上の注意点

 総合型選抜には出願条件や他の入試とは異なる選考内容など、一般入試と異なる点が多くあります。本見出しでは、教科試験がない総合型選抜を受験する上での注意点を紹介します。

出願条件を確認しよう

 総合型選抜には必ず出願条件が設定されています。大学はもちろん学部学科、入試の種類によっても異なりますので、必ず確認することが重要です。特に注意するポイントとして以下が挙げられます。

現役のみ、もしくは既卒可か

 既卒可の場合でも卒業後1年以内など、期間が設定されている場合があります。すでに卒業している受験生は、期間も含めて確認しましょう。

専願もしくは併願可か

 総合型選抜の中には併願可能な入試もあります。併願可能な場合は、第二志望や滑り止めなどを確保するために総合型選抜を利用することが可能です。

評定平均

 入試によっては評定平均が設定されている場合があります。自分の評定平均で受験ができるかを確認しましょう。また、高校1年生や2年生の場合はこれからどのように成績を上げていくかなど、今後の学習計画を練る上で参考にしてください。

外部検定スコア

 近年では外部検定スコアの提出が求められる総合型選抜も多くなっています。英検2級以上など、必要なスコアも含めて確認することが大切です。いつまでにそのスコアを狙うのかも含めて検討しましょう。

併願校に気をつけよう

 総合型選抜で第一志望校に合格できなかったとしても、他の総合型選抜や一般入試などで合格を狙うことが可能です。ただし、総合型選抜は面接や小論文など一般入試では課されない入試内容であることが一般的です。対策をした総合型選抜の入試が1回だけとなると、学習効率が悪くなってしまう場合もあります。他の総合型選抜も受験するなど、学習効率がよくなるように併願校を決めるようにしましょう。

計画的に準備を進めよう

 総合型選抜には外部検定スコアやこれまでの活動実績など、準備に時間がかかるものが要件となっている場合があります。受験したいと思っても、要件を満たしていない場合があるため、早めに準備を行うことが大切です。「いつまでに外部検定スコア2級以上を取る」など、総合型選抜と一般入試向けの勉強をどちらも併せて計画を作っていきましょう。タイミングによっては間に合わない場合がありますので、早い段階から計画を練りましょう。

まとめ

 ここまで教科試験がない私立大学を紹介してきましたが、今回取り上げた大学以外にも教科試験なしで受験できる大学は数多くあります。特に近年では、多くの大学でさまざまな入試を実施していますので、まずは大学の入試情報を集めることが重要です。そのためには、早い段階から受験を意識することが何より大切なので、特に高校1年生と高校2年生は一度考えてみてください。