共通テスト試作問題の「情報」はどんな内容か
まず、大学入試センターから2022年11月9日に発表された試作問題を見てみましょう。
試作問題では、用語を知っているかどうかを直接問う設問は一切ありませんでした。問われているのは教科「情報」における「深い専門知識」ではないことがわかります。
「プログラミング」に関する問題の配点が100点満点中25点と高かったことが話題になりました。プログラミング(プログラムを作成する作業全般)とコーディング(プログラミング言語を使ってソースコードを書く作業)が同じような技術であると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、コーディングはプログラミングの作業のひとつです。そのコーディングのスキルそのものを問う問題も出題されていませんでした。
試作問題で特徴的なのは、60分の制限時間に対して、マークする設問が48もあることです。平均すると1マークあたり1分15秒となり、見直しをする時間がほとんどありません。ある情報科の専任教諭が「試験時間内での解答では87点しか取れなかった」と述べていたほどです。
また、「論理回路」や「LATCH(情報を分類・整理するための5つの方法:Location=位置、Alphabet=アルファベット、Time=時間、Category=カテゴリー、Hierarchy=階層の頭文字)」といった、高校生にとってあまり馴染みのない事項に関する問題(第1問)も出題されていました。
試作問題で問われているのは、日常生活に関係する題材をもとにした設問を理解し、長い文章や数多くの図表から必要な情報を取り出し、素早く解答していく力です。これは共通テストの全科目を通じて問われている力だと言えましょう。
第4問は、データ活用の理解が重要であることがわかる内容です。散布図や回帰直線、外れ値など、「数学Ⅰ」の知識が必要となる問題でした。様々な数を「0」または「1」で表す二進法は、「数学A」で学習します。高校1年生で学ぶ数学をしっかりやっていくことが「情報」対策になると言えます。
まとめ:
共通テスト「情報」は、短時間で問題文・図表・グラフ等を読み、意味を理解したり、必要な情報を取り出して比較し、持っている知識と関連づけて整理したり、解釈した内容を知識・経験に結びつけて再構築したりする「リテラシー」が求められている