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[緊急提言]真夏の計画停電を回避する方法
【第2回】 2011年4月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
古市勝久 [株式会社購買戦略研究所 代表取締役]

今すぐエアコンを買い替えよ

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計画停電は実施しないが
家庭には2割の節電を

 東京電力は4月8日、「今後、計画停電は原則として実施しない」とする方針を発表した。さらに今夏も〝原則実施しない〟という。「計画停電終了宣言」と報じるメディアさえあった。

 「これで停電は回避できるのか」と安心したのもつかの間、同日に政府は、契約電力500キロワット以上の大口需要者には電力使用を昨年比25%程度、小口需要者(同500キロワット未満)には昨年比20%程度の削減を求めるといった、節電促進に向けた対策の骨子を発表している。

 大幅な電力不足が見込まれている以上、突発的な電力需要増の懸念も捨て切れない。計画停電の可能性は依然として残っているのだ。

 約1000万キロワットともいわれる真夏の電力不足。今夏の計画停電を何としても回避するためには、やはり企業の自発的な節電への取り組みが必要不可欠のである。

 では実際に、どのような手段を講じればいいだろうか。

 今回からは、「エネルギーコスト削減」の見地から私が強く推奨する、極めて抜本的かつ具体的な5つの節電プランをご紹介する。

 ひとつめのプランは「エアコン」に関する提案だ。

使用電力の約3割を占める
エアコン

 節電対策に最も求められているのは「ピーク時電力を確実に下げる」という発想だと前回述べた。それを大前提にして、まずは電力需要のピーク時間帯の図をご参照いただきたい(図1)。

図1 1日の電気の使われ方(拡大画像表示)

 夏場の電力需要は、朝の9時頃から一気に増え始め、13~15時を頂点に18時頃まで高い状態が続いている。

 このピーク時間が意味することは何か。朝9時といえば、平均的な企業の始業時間であり、18時は同じく平均的な終業時間だ。出社すると需要が上がり、終業時を境に需要が下がる。夏の電力需要量は世の中のビジネスタイムと密接にリンクしているのである。

 そしてこの時間帯に、もっとも電力を消費しているもの、いちばん電気を食っているのが――空調・エアコンだ。

 朝、オフィスに出勤してエアコンを稼動させ、夕方、仕事を終えてエアコンを切ってオフィスを出る。その時間帯が、そのまま夏の電力需要のピークになっているのである。

 実際、使用電力全体に占めるエアコンの割合は約3割にも及ぶ(図2)。オフィスや商業施設に限れば、その割合はさらに高くなり、全体の半分以上を空調・エアコンが占めるケースも多いだろう。

図2 オフィスビルの用途別エネルギー消費
 

 夏場の使用電力はもっと高い(前回の連載記事図1を見てほしい)。当然、夏場だけでいえば、エアコンの割合はもっと高くなるだろう。

 企業が焦点を当てて取り組むべき節電は、やはり「エアコン」にあるのだ。

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古市勝久 [株式会社購買戦略研究所 代表取締役]

2000年よりMBAにてB2B(企業間電子商取引)市場を研究。
同時にソフトバンクグループにてe-Marketplace、電子商社、企業間受発注システムの導入コンサルティング等を経て電子入札サービスのビジネスモデルを構築する。
2005年に早稲田大学IT戦略研究所と連携し、独立系の購買コンサルティング会社として「株式会社購買戦略研究所」を設立。
現在まで、大手小売業を中心に約400社のエネルギーコストを含めた購買改革のプロジェクトを手がけている、国内随一の購買コンサルタント。
販促、建築、物流、など7つの部署別コンサルティング部門を持ち、電力などエネルギーコスト関連を含めた削減対象品目は150以上に及ぶ。

株式会社購買戦略研究所
http://www.psic.jp


[緊急提言]真夏の計画停電を回避する方法

今夏、制御不能な大規模停電を防ぎ、計画停電を回避するために企業は何ができるのか、何をすべきなのか。意外と知られていない電力需給の基礎的な事実について、しっかりと、かつ繰り返し述べるとともに、筆者の専門分野でもある「エネルギーコスト削減」という見地から、「今、すべきこと」について緊急提言する。

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