
新卒の就職者数は、企業の成長力や経営戦略、さらには“序列”を表す分かりやすいバロメーターだ。新卒採用数が伸びている企業は、それだけ業績に勢いがあるといえる。そこで特集『5年後の業界地図2025-2030 序列・年収・就職・株価…』の#2では、ここ10年で新卒の就職者数が増加した企業のランキングと、主要大学別の内訳をお届けする。これを見れば、10年間でどのような企業が頭角を現したか一目瞭然だ。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
10年で新卒の就職者数が増えた企業は?
東大・京大・早慶…主要大学の内訳も公開
新卒の大学生を数多く採用しているのはどの企業か――。
新卒採用は、企業の“勢い”を表す分かりやすいバロメーターだ。新卒の就職者数が大きく増加していたり、難関大学の卒業生などを数多く獲得していたりすれば、それだけ成長力が高く、競争力も高い企業であることの証しとなる。
さらに、近年では、転職が一般的になり、即戦力である中途採用に軸足を移す企業のほか、新卒の一括大量採用から精鋭採用へとかじを切るような企業も存在する。新卒採用動向には企業の人材戦略が色濃く反映されており、その中身を分析することで、企業の採用戦略の今後を占うことも可能なのだ。
そこで今回、企業ごとの新卒採用の動向をあぶり出すべく、大学通信提供のデータを基に、「10年間で就職者数を増やした企業ランキング」を作成した。
具体的には、2014年3月と24年3月に卒業・修了した就職者数からその増減を集計。比較可能な主要351社のうち、就職者数の増加数上位200社をランキングした。さらに、東京大学・京都大学、早慶上理、関関同立、MARCHで区分した内訳も掲載しているので、“エリート学生”をどれだけ採用できているか、採用の“質”についてもチェック可能だ。
なお、残りの「就職者数が減少した企業」ワーストランキング151社については、後日公開する予定だ。
351社には、エリート学生の人気が高い外資系コンサルティング会社や大手商社に加え、銀行、保険、建設、精密機器、機械、サービス、ITなどさまざまな業界の“トップ企業”が網羅されている。三菱商事、伊藤忠商事、富士通、NEC(日本電気)、アクセンチュア、三菱UFJ銀行、キーエンス、任天堂、三菱重工業……。大手企業の熾烈な“人材獲得合戦”を制し、“序列”上位にのし上がった企業はどこなのか。その全貌を大公開していく。
次ページでその結果を見ていこう。