9割以上のマンションが「修繕積立金破綻」の危機、回避の秘策は

「破綻」という嫌な響きの言葉が最近はよく使われる。もはやダイヤモンド・オンラインのカテゴリー“政治経済”の中だけには収まらない。分譲マンションに住む企業戦士諸氏は、プライベートでも「破綻」と戦わなければならないのだ。「破綻」をカテゴリー“ライフ”でお伝えするのは心苦しいが、現実を見ないわけにはいかない。

 それが“修繕積立金破綻”だ。

 私は、何年も前から「我が国の三大破綻<財政破綻><年金医療費破綻>、そして<修繕積立金破綻>」と警告してきたのだが、修繕積立金破綻のリアルは未だに実感していただけていないようだ。

 先月、 大規模修繕工事で、積立金の値上げや、一時金の徴収、果ては銀行借り入れまでさせて“住民を食い物にする呆れた業界の実態(2017.9.8)”についてお伝えしたが、実は積立金破綻の芽は新築購入の時に既に存在していて、大規模修繕時に突然出てくるものではない。世にあるマンションの90%以上は、その先行きに<修繕積立金破綻>が待っている。それはつまり「長期修繕計画」という、マンションを長く維持していくために必要不可欠のロードマップ自体がフェイクだったということを意味する。

 しかし希望はある。出ている芽をなるべく大きくならないうちに摘めばいいのだ。適切な手を打てば、まだ間に合うケースがほとんどだ。まずは最近の管理組合総会議案書、議事録、長期修繕計画書を見直してみよう。

欠陥長期修繕計画
戦慄の実態

 仕事柄、多くのマンションの長期修繕計画を見てきたが、そのほとんどが同じ末路を辿ることが目に見えている。現在、資金は足りているものの20~30年後には大幅な資金不足になることが確実なのだ。