ひょっとして管理費が高いかも?
そう感じたら調べたい「5つの罠」
「うちのマンションは管理費が高いかも……」
常日頃から、あなたはそう感じていないだろうか。
今回は、読者が気になるマンションの管理費の実態について分析し、お伝えしたい。「私のマンションの管理費、高いような気がするんだけど……」「管理費は削減できるのだろうか……」「マンションを買うときの管理費の目安が知りたい」と悩んでいる読者諸氏は、ぜひ参考にしていただきたい。
管理費分析のツールとなるのは、スタイルアクトが運営する物件比較サイト「住まいサーフィン」である。ここでは、1993年以降に分譲された首都圏2.3万棟のデータを基に、「管理費の実態」を調べ、公表している。そこで紹介されているデータを基に、分析していこう。
70平方メートルで1万4420円、1平方メートルあたり206円――。これが首都圏マンションの管理費(修繕積立金は含まない)の平均値だ。管理費は、管理会社への委託状況、共用施設の内容、エリアや新築時の価格(物件グレード)によって差がある。その傾向と相場を知ることは、購入してはいけない物件の見極めや高値売却に結びつく管理費の削減など、自宅の売買戦略に欠かせない知恵となるだろう。
では、管理費の実態を見抜く上でポイントとなる「5つのワナ」を、具体的に説明していこう。
【管理費の罠1】
ワンルームの管理費単価は
ファミリータイプの2倍以上
第一の罠は、「ワンルームマンションの管理費単価はべらぼうに高い」ということだ。たとえば、平均面積10平方メートル台のワンルームマンションの管理費の平方メートル単価は436円と、平均面積80平方メートルのファミリーマンションの1平方メートル単価(178円)の2.5倍となる。同じ床面積となる規模のマンションで管理費がこれほど違うと、この違いはぼったくりの域と言ってもいいだろう。ワンルームは購入したオーナーが住むわけでもなく、管理組合に積極的に参加するわけでもなく、販売している会社の系列の管理会社に管理をやらせているのだから、業者は最大の収益を目論んでいると言われても否定できない。不動産屋の考えそうなことだ。これだから、不動産業界には情報格差を飯のタネにしているダーティなイメージがついて回ってしまうのだ。
ちなみに、各マンションの平均面積帯ごとに管理費単価を集計してみると、10平方メートル台の管理費は平方メートル単価436円、20平方メートル台は361円……というように、80平方メートル台までは面積が大きくなるほど管理費は安くなる。それが70~80平方メートル台で底打ちし、そこから先は面積が大きくなるにしたがって管理費が高くなる。