写真:歯磨き,歯ブラシ写真はイメージです Photo:PIXTA

上戸彩さん、佐々木希さん、真矢みきさん――歯磨き粉のCMに出演している女優さんからは、「白い歯」「爽やかな息」を連想しますね。しかし、CMに惑わされてはいけません!口臭やホワイトニング、むし歯や歯周病予防に、本当に効果的でコスパのいい歯ブラシや歯磨き粉について解説します。(歯科医師 宮本日出)

「ゆで卵」か「腐った生ゴミ」か
自分で口臭をチェックする方法

 以前、あるテレビ番組に口腔の専門家として出演した際、お笑い芸人さんから「どんな歯ブラシを使うかよりも、歯磨きの回数が大事なんやろ?」と聞かれたことがあります。しかし、その認識は大間違い!不適切な歯ブラシを使っていると、「24時間365日ずーっと、歯に汚れが付いたまま」ですよ。

 自分に合った歯ブラシを選んで使うことは非常に大切です。そのためにもまず、自分の口臭を知りましょう。口臭は大きく2種類あり、誰にでもある「生理的口臭」と、主に歯周病が原因となって発生する「病的口臭」に分けられます。

 自分で口臭を判断する簡単な方法を紹介します。10cm×20cm程度のビニール袋(スーパーでもらえるものでOK)に、ゆっくり息を吐いて袋をパンパンにします。吐息の温かさを、袋を持つ手で感じられるくらい、ゆっくりためましょう。そして、袋の中の臭いを嗅いでみてください。

「ゆで卵」に近い臭いがしたら、生理的口臭です。臭いの強さには個人差があるので、無臭と感じた人は生理的口臭と判断して大丈夫です。

 もし、「腐った生ゴミ」のような臭いがしたら、病的口臭です。この口臭は歯周病が進行するほど強烈になります。ただし、歯周病(の口臭)は本人が自覚できないケースも結構あります。そこで、もしあなたの口臭を嗅いでくれる人がいれば、その人に判断してもらった方が正確でしょう。

 では、生理的口臭の人の歯ブラシは何がいいのでしょうか? このタイプの人は、むし歯を予防する、歯の表面の清掃効率が高い、毛先が丸くなって長さがそろっている通称「ラウンド型」の歯ブラシをオススメします。歯ブラシの毛の硬さは「硬め」だと歯の表面を傷つけるリスクがあります。「普通」を使いましょう。

 個人的には、「ルシェロB-10M(GC)」を愛用しています。先端部の毛に角度があって隅々まで磨けるので、奥歯の後ろ側や歯の隙間までしっかり磨けます。実は、長い毛と短い毛が混ざっているのがポイントで、汚れがしっかり落とせる設計です。

 朝など時短が必要な人は、通常よりヘッド部分が幅広なワイドタイプが良いでしょう。歯の表面から歯ぐきとの境目まで効率良く磨けます。あるいは、薄型ヘッド+スリムネックのタイプは奥歯が無理なく磨けます。