経営×総務
なぜ、「戦略総務」か?
【第17回】 2017年12月15日
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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

働き方改革を成功させるカギは総務が握っている

「働きやすい場の仕掛け」を作るのは総務

 働き方改革は第二章、生産性の向上がテーマとなっている。生産性向上のため、働く人、個々人のスキルアップのために、政府は「人づくり革命」に邁進中。今後、経産省と厚労省がタッグを組んで、教育関連の給付金を手厚くしてくることだろう。

 企業においては、従業員の生産性を向上させる取り組みが必要となる。「人づくり革命」による、従業員のスキル向上もさることながら、働く環境における生産性向上が必須である。従業員の仕事の効率性を高め、新たな取り組みが生まれる環境作りが求められる。

 効率性と創造性の向上は、「働く場」の仕掛けにより促すことができる。端的に言えば、オフィスでの仕掛けである。その役割を担うのは、やはり総務だ。

 働き方改革について論じられるときにいわれるのが「総務が働き方改革の主役となると、成功する」という点だ。ときに机の下に潜り込み、額に汗して働く総務担当者は、上から目線ではなく、総務の“ユーザー”である従業員に寄り添いながら仕事をしている。その姿勢が、大変革の働き方改革で有利に働くのだ。

 ある企業では、総務が現場に足しげく通い、現場の動きを観察するという。メールで足りるところを、あえて現場に出向き、しばらく現場社員の働き方を観察する。人の動き、特にキーマンであるインフルエンサーともいえる社員の動きと、その社員が現場のメンバーへどのような指示を出しているかに注目し、効率よく仕事が回る「働く場」のイメージを作るのだ。

 そのような現場観察を頻繁に行い、オフィスのレイアウト変更、ビル移転となった際には、それまで蓄積していた情報から、もっとも効率的な働く場を構築する。その結果、その企業では、コミュニケーションが円滑になり、本社移転後、売上高が3倍にもなったそうである。

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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

【経歴】早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の取締役、事業部長兼編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著書に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター刊)『経営を強くする戦略総務』(同)など。

 


なぜ、「戦略総務」か?

総務を単なる「社内の縁の下の力持ち」ではなく、コア業務の担い手、つまり"戦略総務"にすることが、会社を変革するための重要な戦略となる――。なぜ今、戦略総務なのか。その必要性について考える。

「なぜ、「戦略総務」か?」

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