働き方改革は「社員の健康第一」なくしてありえない

当たり前だが「健康第一」

 今回は今一度、健康経営を取り上げてみたい。というのも、集中、快適性、ビルの新たな認証制度、WELLが注目されているようなのだ。なぜ、健康経営に繋がるのか。集中する、しない、集中できる、できないと感じるのは人であり、快適性を感じるのも人である。また、健康的で生産性の高い空間を評価するビルの新しい認証制度、WELL(WELL Building Standard)も、その対象は人である。

 結局、組織は人であり、その組織の積み上げが企業となる。その最小単位の人が元気でなければ、モチベーション高くなければ、組織も企業も活性化するはずがない。一方で、日本国中が取り組んでいる働き方改革。こちらも、個々の社員の働き方の改革、その積み上げの結果である。

 言いたいのは、働き方改革の前に、個々の従業員の働くベースとなる「体」のケアなくして、働き方改革はあり得ないということだ。いくら素晴らしいオフィス環境をしつらえても、いくら最先端のITツールを用意しても、いくら多様性のある制度を構築しても、個々の従業員の心身が疲弊していては意味がない。モノありき、制度ありきでは意味がない。

働き方改革と健康経営は一気通貫

 働き方改革と健康経営を別々に捉えるのではなく、一気通貫したものとして考えていくべきだ。両者に流れを作り、一つの戦略のもとに施策設計をしていく。そうなると、4つの経営資源、ヒト、モノ、カネ、情報。このうち、人事担当のヒトと総務担当のモノのリンクが大事となってくる。

 当たり前のことではあるが、健康診断の受診から始まる。多くの健康経営の専門家も言っている、健康経営の第一歩である。企業に義務づけられている法定健診が必要だ。この健康診断結果と勤怠の双方をチェックすることで、健康障害の防止が可能となる。問題は、健診結果に対して企業が行動を起こしているかである。有所見者に対して、最後まで追いかけてフォローしているかどうか。