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個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書
【第3回】 2012年6月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
五十嵐英憲 [五十嵐コンサルタント(株)代表取締役]

目標管理は理想論なのか?

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たった9ヵ月で万年赤字会社を黒字に変えた社長が実行した「目標管理」とは?人が燃え、組織が動く、本当の目標管理を『個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書』の著者が解説!

たった9ヵ月で万年赤字会社を黒字に転換!

 1991年の始め頃、私が目標管理(MBO-S)の虜になる、1冊の本との出会いがありました。
きっかけは、あるディスカッションの席上で私がうっかりこぼした、「MBO-Sは理想論なのでは?」という発言でした。

 人と仕事をうまく結びつけるためにはチャレンジ目標が必要であり、目標設定や達成活動に際してはセルフ・コントロールの力を最大限に引き出すこと。
それがMBO-Sのコンセプトであることは以前から知っていましたが、どうしたら普通の人間がセルフ・コントロール状態になれるのか、そこに疑心暗鬼が生じ、思わず「理想論……」と口走ってしまったのです。

 私の発言に、先輩コンサルタントが反応し、「MBO-Sがうまくいった事例がある。『黒字浮上!最終指令』(猿谷雅治著/ダイヤモンド社/1991年)を読んでみたら?」というアドバイスをくれました。

 著者の猿谷氏は住友金属鉱山(株)の目標管理の創造と推進に深くかかわった、「日本のMBO-Sの草分け的存在」と言われている人であり、本書は、彼が子会社の社長を務めていたときの実体験を小説風に仕上げたものです。

 私はさっそく本を買ってきて、むさぼるように読みました。

普通の人がセルフ・コントロール状態になる仕掛け


 『黒字浮上!最終指令』のあらすじ

 一部上場会社の部長級の男(沢井正敏)が、万年赤字の子会社に社長として出向して、赴任後9ヵ月目から黒字に浮上させた物語。

 この男(沢井正敏)が出向を命じられたときの、親会社社長からの条件は、

(1)この子会社が黒字に浮上できるかどうかの最後の戦いをしてみること
(2)戦ってみて黒字浮上不能の結論になったら、会社を整理すること
(3)以上の結論を1年後に出すこと

 というもの。1年後につぶす可能性が高いということは、

(1)設備投資等、多額の金額を要する戦略、戦術はとれない
(2)採用等による人員増加はできない

 ということになる。
つまり沢井は現有設備、現有人員によってその会社の黒字浮上をはからねばならない。
  したがって、いわゆる組織の活性化による業績向上だけが、沢井に残された方策だった……。

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五十嵐英憲 [五十嵐コンサルタント(株)代表取締役]

1969年早稲田大学商学部卒。資生堂、リクルートを経て、教育コンサルタントとして独立。現在、五十嵐コンサルタント(株)代表取締役。(株)自己啓発協会インストラクター。専門分野はMBO-S(目標管理)研修やマネジメント・システムの構築支援活動。セミナー受講、講演受講者はのべ10万人超。著書に『個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書』(ダイヤモンド社)などがある。


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