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インキュベーションの虚と実

「やりたい」から始め、
事業のことしか考えず変化し続ける
——村上太一・リブセンス社長インタビュー

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第12回】 2012年10月15日
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学生時代から起業家生活を続け、リブセンスを創業。今年10月、同社を東証第一部上場企業に成長させた
Photo by Kazutoshi Sumitomo

第11回では起業において大学は重要な役割を果たすことをフィーチャーした。その手前、起業一色の大学生活を経て、このほど会社を東証一部に上場させた若き起業家について、触れないわけにはいかないだろう。“新事業オタク”とも呼びたくなる村上太一・リブセンス社長だ。

村上社長は早稲田大学一年生の2006年に同社を創業。11年末に東証マザーズに株式上場を果たし、12年10月、東証第一部に市場変更された。ベンチャー・キャピタルの世話にならず、大学のインキュベーションセンターを活用しながら(1年間オフィス無料)、人材は高校時代から知人を通じて調達し、自らの経験を活かしアルバイト求人サイトを立ち上げた。その村上社長に、事業づくり、チームづくり、そして事業を成長させた秘訣にフォーカスして話をうかがった。

大学に入る前から
スタートアップを心に決めて邁進

 「やりたいこと」から始まったんです。幼いころからテレビで事業を創るストーリーをみて、自分もやりたい、世の中に価値提供する事業をつくりたいと思っていました。例えば、国と戦って世の中を変える事業をつくったクロネコヤマトはかっこいい!って。

 大学に入る前から、やりたいこと=会社経営と決めて、簿記などを勉強しました。早稲田大学の付属の高校でしたから、そのときから大学に進学した先輩の話を聞いていて、実際の学生生活の様子も知っていました。ですから、事業で忙しくて多少授業に出られなくても大丈夫な学部を選択したんです。

 村上社長の特徴は、とにかく“事業をつくりたい”という思いに溢れていることだ。話を聞いていると、それが大学に入る前から揺るぎないものだったことがわかる。もう一つの特徴は、その思いは、例えばスティーブ・ジョブズといった特定のあこがれや、インターネットの波に乗り、お金持ちの上場企業オーナーになりたい、といった個別の事象でなく、新たに事業をつくることそのものへの衝動であり執着だった点だ。その気持ちはまっさらでありピュアである。これこそが、筆者が“新事業オタク”と呼ぶ理由である。

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本荘修二 [新事業コンサルタント]

多摩大学客員教授、早稲田大学学術博士(国際経営)。ボストン・コンサルティング・グループ、米CSC、CSK/セガ・グループ会長付、ジェネラルアトランティック日本代表を経て、現在は本荘事務所代表。500 Startups、NetService Ventures Groupほか日米企業のアドバイザーでもある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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