富裕層がこっそり教える 狙い目&穴場 運用術#2Photo:Thai Liang Lim/gettyimages

米国の金利が上昇する中、投資妙味が増しているのが社債や国債などのドル建ての「債券」だ。今夏、楽天証券は新たなサービスをスタートし、これまで最低投資価格は1000万円以上というのも珍しくなかった社債について、「1000ドル」から購入できるという手軽さをアピールするなど、個人投資家の間でも債券投資が熱を帯び始めている。特集『富裕層がこっそり教える 狙い目&穴場 運用術』(全16回)の#2では、注目を集める債券投資について解説する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

米国の金利上昇で債券投資に関心
楽天証券も個人投資家向けに新サービス

「債券投資が個人投資家に広まるきっかけになるのではないか」──。ある独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)はこう口にする。

 7月、楽天証券がそれまでの債券の販売サービスを一新した「債券マルシェ」の提供を開始した。

 債券という商品は株式などに比べて個人投資家にあまり浸透しておらず、債券マルシェの一般での認知度もさほど高くない。それでも、IFAかいわいでは「楽天が債券に本腰を入れ始めたようだ」と、同社の施策に対する反響が聞こえてくる。

 なぜ、楽天証券はこのタイミングで債券サービスをリニューアルしたのか。それは、直近で投資家の債券投資ニーズが急増しているからだ。

 楽天証券の大嶋広康副社長は「債券マルシェの構想自体は2022年の初頭ごろから考えていた。米国の金利が上昇などする中、債券は“金利ある世界”において個人投資家にも提供すべき商品だ」と、その背景を語る。

 米国における金利の急上昇──。これこそが、まさに今債券投資が“妙味”を帯びている理由に他ならない。

 次ページでは、米国の金利上昇などに伴い、債券投資の“うまみ”がどのようにアップしているのか、あるいは高い手数料などの落とし穴はないのかなどを解説する。また、楽天が新たにスタートした債券マルシェでは、それまで10銘柄弱しかなかったという債券の取り扱いを一気に200銘柄以上へと爆増させたが、そのサービス内容はどのようなものなのか、本当に“使える”サービスなのか。個人投資家の債券投資が広まるきっかけとなるかもしれない理由を説明しよう。