視聴者が望む追加のサポートに
塾・予備校として有料で応える

 教育系YouTubeチャンネルの実態として、稼いでいる会社はYouTubeからの広告収入に頼るのではなく、チャンネルに自社の商品を紐づけている。塾であれば、チャンネルが塾の広告役を担い、塾の本業が稼げるようにしている。塾業界は売上高に占める広告宣伝費の割合が高いだけに、人気チャンネルが会社にもたらす稼ぎは大きい。

 新生ただよびが取り入れるのはこのモデル。無料動画の視聴者が望む追加のサポートを、塾・予備校の有料サービスとして提供するのだ。具体的にはカリキュラムを組み立ててサポートするコーチング、それと論理的思考力を養って視野を広げるための指導である。

 前出の宗氏は新生ただよびで校長を務める。テクニックを学んだり暗記をしたりしても成績が伸び悩む局面で、そこから突破するのに必要なのが「論理的思考力を磨いたり、視野を広げること」と宗氏。これは総合型選抜入試の対策にもつながる。

 24年早々にはこの新サービスが発表される見通しで、宗氏も間屋口氏も有料サービスの規模について、客単価が上がるだけに「(対象は)100人とか200人、300人くらい」と大風呂敷は広げない。

 動画制作についても、旧ただよびの最末期には非常勤ではあるが40~50人の講師が名を連ねていたが、新体制では当面、10数人程度にとどめる。すでに大量の動画がストックとしてあるので、25年度大学入学共通テストで始まる「新課程対応」など厳選したテーマを新規に手掛ける。

 そして講師には動画出演に対する最低限の単価を設定し、その上乗せでYouTubeの広告収入など売り上げの10%を印税的なかたちで支払う。

 破産事件にまで至った旧ただよびは問題だらけだったが、多くの講師たちを巻き込んだ野心と絶望の熱量が5000本以上の動画を生み出した。新生ただよびにまず必要なのは、冷静な経営判断だ。動画のストックを守りながら生かして「マネタイズ」の道筋をつけることが、教育格差を是正するという理念への回帰につながるはずだ。

Key Visual by Noriyo Shinoda,Kanako Onda