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「世界中の人の思いを実現させたい」(READYFOR? 代表・米良はるか)――古川享が聞き出す今を駆けるスマート・ウーマンの本音

林 正愛 [アマプロ株式会社社長]
【第10回】 2013年4月26日
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米良:世界にはやっぱりちゃんとこうやってアウトプット出している人がいる。なんとなくこういうプロジェクトやりました、ビジネスにしました、ではなく、ちゃんと売却まで、イグジットまでいっているのを見て、こういう人を意識して働くのが大事なことなんだなと思いました。

 同時に当時のアメリカで始まりだしたクラウドファンディングを目のあたりにして、これは世界のトレンドになっていくんだろうと思ったので、日本に持ち帰り、今度は彼女くらい、「私はこの年齢でこういうことをやったんです」とはっきり人に言えるところまで持っていきたいなと。そこからREADYFOR?はスタートしました。

古川:学生のうちに多くの人と出会うのはもちろん、海外に行って、自分より圧倒的にすごい人に出会って、くやしいと思ったりへこんだりするのはすごくいい経験だと思います。

米良:そうですね。それで帰国して、READYFOR?の準備を進めているころに東日本大震災がありました。READYFOR?で、今までで一番お金が集まったのは、陸前高田に図書室をつくるプロジェクトでした。2012年にプロジェクトページをスタートして、3日間で目標の200万円を集め、最終的には860人から830万円が集まりました。

 READYFOR?のサービスでは、寄付した人へ何かインセンティブを返すのですが、そのプロジェクトでは1万円を出してくれた人の好きな本を、その人の名前を入れて図書室に寄贈するというモデルにしました。そうしたらいろんな人たちが自分の好きな本や陸前高田の人たちに読んでもらいたい本を一生懸命考えて、コメント欄に書きこんでくれました。

 また、このプロジェクトに寄付した人たちが、その後現地へけっこう訪問しているらしいんですよね。自分の本の名前を見に行ったり。ネットなので最初はバーチャルでも、何か目標を持った人にお金を出したことが最終的にリアルな人のつながりになり、お金を通じて人と人がより近い存在になる、ということが作れたのが私にとってはすごくうれしいことです。

 日本はお金に対してネガティブなイメージもあるかと思いますが、お金によって、応援した人たちもその活動に対して何かしてあげたいと思うし、もらった側も、1万円は日常生活の中では大きなものだと思うので、寄付してくれた人に対して何かちゃんとやらないと、という意識が生まれてくるというのを演出できた、というか、結果的にそうなったのですが、すごくよかったなと思っています。

古川:早大の税所篤快さんの試みも応援しましたよね。私も参画しました。

米良:はい。e-Educationという、バングラデシュの貧困層に学校や塾の敏腕な先生たちの授業を録画してそれを配り、教育格差をなくそうという活動をしている団体の代表が税所さんで、彼のプロジェクトも応援できました。

古川:彼そのものをフィーチャーするのではなく、それを成功させるための土台を米良さんが作っているのが意味がある。経済学部を出た子がKMDに来て、何をしようかなとアメリカに行ったら気づきがあって、優秀な東大出の技術者がバックボーンのしっかりしたエンジンを作ってくれて、早稲田の学生がそれにのって世界展開をしている。こういう関係の中から新しい人間が生まれてくるのはすごく楽しいことだね。

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林 正愛
[アマプロ株式会社社長]

りん・じょんえ/BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ、ファイナンシャルプランナー、英検1級、TOEIC955点。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。British Airwaysに入社し、客室乗務員として成田―ロンドン間を乗務。その後中央経済社、日本経済新聞社にて、経営、経済関連の書籍の企画および編集を行う。2006年10月にアマプロ株式会社を設立。仕事を通じて培ってきたコミュニケーション力や編集力を活かして、企業の情報発信をサポートするために奔走している。
企業の経営層とのインタビューを数多くこなし、その数は100名以上に達する。その中からリーダーの行動変革に興味を持ち、アメリカでエグセクティブコーチングの第一人者で、GEやフォードなどの社長のコーチングを行ったマーシャル・ゴールドスミス氏にコーチングを学ぶ。現在は経営層のコーチングも行う。コミュニケーションのプロフェッショナルが集まった国際団体、IABC(International Association of Business Communicators) のジャパンチャプターの理事も務める。2012年4月から慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科で学んでいる。2児の母。

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