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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

「正義」と「ルール」、どちらを優先すべきか?
川口議員の解任劇に見る、リスクを取る覚悟

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第86回】 2013年5月14日
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 GW明けに突如起こった川口順子議員の解任劇。みなさんはどう思っただろうか? 元外相で参院環境委員長だった川口順子参議院議員が、中国での「出張の延長」により予定されていた環境委員会が流会。これを理由に野党が解任決議案を提出し可決された経緯はご存じかと思う。念のためにつけ加えておくと、川口氏が中国での滞在を延長したのには下記のような背景がある。

〈アジア各国の外相経験者らの「アジア平和・和解評議会」メンバーの一員として4月23日に北京入りした。参院から24日までの渡航許可を得ており、環境委出席のため同日中に帰国するつもりだった。だが、24日になって急遽、同評議会と楊氏との会談が25日に設定された。川口氏はすぐさま自民党の脇雅史参院国対委員長に電話をかけ、会談出席のため渡航期間の延長を訴えた。川口氏が出席しなければ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、中国がねじ曲げた主張を一方的に繰り広げることになり、他の参加者に誤った認識を与える危険があるからだ。〉(出典:MSN産経ニュース

 この川口氏の行動に対して野党側は「国会軽視」「ルール無視」として激しく批判。ついには現在の憲法の下では初となる委員長解任劇となった。

 政治的な分析は当連載の本分ではないのでやらない。しかし、この解任劇を見ていると、日本のCSR界が置かれた「課題」との共通点があると感じる。それは、CSRとコンプライアンスの関係。もっと言えば、「企業の正義」と「ルール」の関係である。

「正義」と「ルール」がぶつかり合うとき

 社会貢献には「正義」が要る。そこに社会的正義のないCSRやソーシャル・ビジネスはそもそもが成り立たないからだ。しかし「正義」はしばしば「ルール」とぶつかり合う。その極端な例が革命だ。革命を企てるということは、国家に対する反逆を企てることであり、国家反逆罪はどこの国でも死刑というくらいの重罪、つまり「重大なルール違反」である。

 革命家としていまだにカリスマ的人気を博すゲバラだって、時のキューバ政権からすれば極悪人もいいところで、しかし民衆からすればゲバラやカストロの革命は「正義」だったわけで、だから革命も成立したわけだが、当時のキューバの法律に照らせば「違反」だったことに間違いない。そもそも、革命を合法化するような法律は、世界のどこの国にもないわけで、革命とは常に、正義とルールのぶつかり合いなのである。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

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