「地元の商店街からお客が減ってしまった」「そもそもスカイツリー効果って、当初期待していたほど大きくないんだって?」開業1周年を迎えた東京スカイツリーに関して、以前からこんな話がまことしやかに語られてきた。しかし、オープン前からあれだけ話題になったスカイツリーの経済効果が、期待外れだとは考えにくい。そこでこの機に、スカイツリーの経済効果を改めて振り返りつつ、本当に期待外れだったのか、またそれが真実でなかったとしても、実際には観光名所としてどんな課題があるのかを、検証してみたい。(取材・文/フリーライター・宮崎智之、協力/プレスラボ)

地元商店のお客を奪われてしまった!
「スカイツリー期待外れ説」は本当か

「スカイツリーができて以降、地元の商店街からお客が減ってしまった」

「そもそもスカイツリー効果って、当初期待していたほど大きくないんだって?」

 5月22日に、東京スカイツリーが開業1周年を迎えた。それ以前からこんな話がまことしやかに語られており、「スカイツリー効果」を検証するメディアも散見された。

 しかし、オープン前からあれだけ話題になったスカイツリーの経済効果が、それほど期待外れだとは考えにくい。連日多くの観光客でごった返していると聞き、観光に行くのが面倒臭くなって、いまだに訪れたことがない人や、スカイツリーの下まで行ったものの、タワーに上ることができずによい印象を持たなかった人などが、後で口伝えに流した噂が世間に広がったのかもしれない。

 また実際に、開業後のスカイツリーが、地元商店街のお客を少なからず奪っていったであろうことは、想像に難くない。古くから地元に住む一部の住民の反感が、水増しされてメディアに伝えられている可能性もある。そのことは、「観光客のせいで落書きや駐車違反などが増え、治安が悪化した」といった噂にもつながっていそうだ。

 そこでこの機に、開業2年目に入った東京スカイツリーの経済効果を改めて振り返りつつ、できるだけ多くの人の意見を聞いて、スカイツリー効果は本当に期待外れだったのか、またそれが真実でなかったとしても、実際には観光名所としてどんな課題があるのかを検証してみたい。