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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

日本のCSR業界を覆う「呪縛」。
「良いことは地味にやるべき」から脱却せよ!

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第94回】 2013年9月3日
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 前回の第93回記事では、コーズマーケティングの限界について述べた。結論としては、いまの生活者の価値観とマーケティングをどのようにエンゲージメントさせるかが重要だと書いたが、では、いまの生活者の価値観とはどのようなものなのだろう。

 これについてはちょうど8月に、野村総合研究所が詳細なレポートを発表している。『なぜ、日本人はモノを買わないのか?』(東洋経済新報社刊)である。これは、1万人を対象として2012年に行なった大規模調査のレポートであり、一般に入手できる大規模調査データとしては最新のものだと考えられる。今回はこのレポートを元に、いまの日本の生活者がどのような消費の価値観を持っているのか、ソーシャルマーケティングにどのように活かせるのか、つまり新しいマーケティングとはどのようなものなのかを考えてみたい。

バブル世代の価値観は
完全に「過去のもの」へ

 詳細は同書を読んでもらうほかはないが、ハイライトについては第1章で下記6つのコンセプトにまとめられている。

・消費者は情報披露している
・将来への不安から高まる生活防衛意識
・「こだわり」の強さが生むメリハリ消費
・お金を「多く使う」より「善く使いたい」
・広がるシェア文化
・「絆」「つながり」意識の台頭

 ソーシャルマーケシングに関心がある人間にとって気になるのはやはり「お金を善く使いたい」「絆やつながり意識の台頭」であり、「広がるシェア文化」だろう。ハイライトとなる消費傾向の6つのコンセプトのうち、半分が広い意味で社会貢献に関連するようになっている。

 同調査に拠れば、「高い車に乗り、豪華な家に住む」ことを志向する人はたったの4%。「高級な宝飾品やブランド品を購入したり、身につけたりする」志向は2%しかない。ようするにバブル世代の価値観は完全に「過去のもの」になってしまったということだ。

 「エシカル消費」志向も強まっているようで、「社会貢献意識に関するWEBアンケート」の調査結果(N=3000)でも、「募金・お金の寄付を行った」=69%、「売り上げの一部が寄付される商品を購入した」=46%、などとなっている。

 若者の社会貢献意識の高まりも結果として出ていて、「積極的に社会のために貢献したい」と考える10代の若者は、2009年には73%だったが、2012年には83%へと上昇している。ちなみに、同調査による20代の「社会貢献したいと考える若者比率」は73%だが、僕が大学生チームと共に行った「若い女子の社会貢献比率」(実際にボランティアや寄付を行なった女子の比率)は、実に88%だった(第92回記事より)。

 いずれにせよ、若者の社会貢献意識は非常に高く、さらに上昇傾向にあるといえる。ちなみに、野村総研の調査では、高齢者層の社会貢献意識は下がっているが、それでも60代で77%(2012年)と、高い比率にある。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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