モバイルコンテンツ業界で世界NO.1の実績を持つKing。なかでも「キャンディークラッシュ」は全世界で5億ダウンロード超(2013年11月)、圧倒的ユーザー数とアクティブ数を誇り、世界66カ国の無料アプリゲームでNO.1を獲得し、先日ニューヨーク市場で上場を果たした。その日本支社であるKing Japanの代表としてヘッドハンティングされた枝廣氏に、これまでの自身のキャリアやKing Japan創業にあたっての想いと、日本での展開についてお話を伺った。
ビジネスのダイナミズムは
ベンチャー企業でこそ味わえる
2004年、一橋大学卒業後、株式会社電通に入社し、大手企業とベンチャー企業のマーケティングを担当。2012年にgloopsに入社し、マーケティング本部長としてマーケティング組織を作り上げる。その後、Kingとの縁があり、「キャンディークラッシュ」をはじめとした優れたコンテンツを持つ企業の日本展開はまさにチャンスと考え、King JapanのGeneral Managerに就任。
南 枝廣さんは、総合広告代理店の電通を卒業後、モバイルコンテンツのgloopsで執行役員・最高マーケティング責任者を経て、King Japanの代表取締役というキャリアを歩まれていますが、そもそも電通という巨大な組織から外に出ようと思ったきっかけを教えてください。
枝廣 実は電通を出ることはとても悩みました。8年以上在籍していましたし、お世辞ではなく素晴らしい会社だと思っています。何より周りに優秀な仲間がいて、電通というブランドや満足いく待遇、将来的な安定性という4本柱が揃っていました。
それでも辞めようと思ったのは、自分よりも輝いている同年代が外にいることに気づいたからです。ご縁があって仲良くさせていただいていたベンチャー企業が、20人から100人になり、300人、500人と増え、上場し、増床していく様子や、トップが舵を切ってからのスピード感やメンバーのコミットメント力などを目の当たりにしたとき、「このダイナミズムはベンチャー企業じゃないと味わえない」と思いましたね。
南 それでgloopsに転職されたのですね。
枝廣 そうです。自分の時間のほとんどを会社や仕事に注ぐのだから、それがつまらなかったら人生もったいない。いい仲間やいい仕事と出会って、面白い仕事をして。それが世の中に認められたらこんなに面白いことはありませんよね。それがベンチャーに飛び込んだきっかけです。