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企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負
【第9回】 2014年5月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
猿谷雅治

【プロローグから第1章までを公開!(9)】
万年赤字会社を変える
マネジメント始まる!

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万年赤字会社はなぜ10ヵ月で生まれ変わったのか? 実話をもとにした迫真のストーリー 『黒字化せよ! 出向社長最後の勝負』の出版を記念して、プロローグと第1章を順次公開。4人の課長と話して見えてきた課題。沢井は3つの基本方針を打ち出した。(連載第1回目、第2回目、第3回目、第4回目、第5回目、第6回目、第7回目、第8回目はこちら

赤字の原因はどこに?
――営業課長の言い分

 翌日、朝から蟬の声がうるさいなかを、和田所長が汗を拭き拭き社長室に入ってきた。

 大学法科卒。38歳。
 総務部で人事を担当していたが、3年前の人事措置のとき、営業に回された。
 小太りの何もかも丸い感じで、話してみると心もソフトで丸い。だが、沢井の話が森山、阿部、安川の三人の課長の話に及ぶと、さすがに和田の顔が引きしまった。

 「社長、むずかしいことは言いません。常識で考えてください。何で当社だけがむずかしい注文ばかり取ってくるでしょうか。
 それはなかにはむずかしいものもあります。しかしやさしいものもたくさん取っています。他社も同じです。よその会社だって納期遅れやクレームがあります」

 「じゃ、当社の赤字の原因はどこにあるというのかね」

 「あまり言いたくはありませんが、せっかくのチャンスですから、思い切って言います。
 当社の製造技術の低さと管理の弱さにあります。
 われわれ営業部門はそれをみんな知っていますから、極力作りやすいものを受注するよう努めているつもりです。それでも、正直のところ他社よりクレームや納期遅れが多いのです。

 結局それへの対応でわれわれセールスの精力の多くが浪費されて、新規受注に十分な時間がとれません。悪循環なのです。
 この悪循環から抜け出せないのが、当社が長年赤字である最大の原因です。
 一人ひとりはみんな一所懸命に頑張っているのです」

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猿谷雅治 

 

さるや・まさはる。1952年東京大学経済学部卒業。住友金属鉱山(株)入社。経理、人事、組織、社長室のほか、事業部総務部長、関係会社出向などを経て1981年取締役就任。1984年常務取締役企画管理本部長。1993年富士短期大学教授。1996年富士短期大学副学長を経て富士短期大学経営研究所教授。1998年没。1964年、「目標による管理」を導入、実施して会社の業績向上に大いに寄与。人間を尊重する目標による管理の思想を中軸として、新しい経営管理論、組織論、リーダーシップ論などの実務への展開に力を注ぐ。主要著書に『目標設定による管理体制』『目標管理の要点』『目標管理の考え方』『創造的リーダーシップ』『仕事と目標と生きがい』などがある。

 


企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負

実話をもとにした迫真の企業再生ストーリー。大会社で役員目前だった沢井は、ある日突然、万年赤字子会社への出向を命じられる。辞令にショックを受けつつも、沢井は1年以内に黒字化することを決意。しかし、新しく人を雇ったり機械や設備を導入する予算はない。今ある人材、設備で黒字化するには社員の意識を変えるよりほかにない。そこで沢井が講じた施策とは…?プロローグと第1章を公開。

「企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負」

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