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ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

社員との会話を経営に生かす覚悟が必要
――間違いだらけのエンタープライズソーシャル活用法(2)

安間 裕 [アバナード株式会社 代表取締役]
【第6回】 2014年10月15日
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 使いやすい機能も、当然ですが重要です。

 我々の活用している「Yammer」という仕組みは、メールやCRM、ドキュメント管理などとも連動するので、誰かが自分の「投稿」にコメントをしてくれると、それがメールに飛んできて、それに返事をすると、「コメントへの返事」として、「エンタープライズソーシャル」を直接使用することなく「投稿」されます。これはとても便利です。

 またメールから、その「スレッド(会話の話題)」のグループに、必要となる人を探して、参加依頼を投げたりすることも、「エンタープライズソーシャル」に切り替えることなく可能です。

 さらに、使うことで「得」をする環境を用意することも、非常に大事です。

 上記に記述した「経営のコミットメント」も「得」の1つですが、それだけではなく、いろいろな試みがされています。

 これはいやらしい例ですが、欧米のある会社では、投稿の回数や、フォロアー(「いいね!」を押してくれたり、肯定的な意見を言う人)の数を、「人事考課」に結びつけています。

リアルタイム翻訳機能で
23ヵ国語に対応

 後は、前回の「目的」にも書きましたが、「ビジネスで活用すること」です。いろいろな「相談」をCRMやERPと連動して行えることは、一時期一世を風靡した、「ナレッジベース」の活用によって個人の経験や英知を組織のものにすることと同様な意味で、非常に重要です。

 これに加えて、エンタープライズソーシャルでは、「識者」に気軽に相談でき、社内の「英知」を個々のビジネスに役立たせることになります。この生産性への貢献は計り知れません。

 我々が活用している仕組みには、リアルタイム翻訳機能が付加されており、23ヵ国の言語をサポートしています。これを活用すれば、国を超えて「英知」を利用することを可能にできるわけです。

 これらが、使い始めるきっかけを作る「浸透」の最初の一歩の事例です(一部は「継続」にも効果があるものもあげましたが…)。

 今回もかなり長くなってきました。次回は、次に考えるべき(正確には同時に考えるべきですが)、「使い続ける仕組みの埋込み」について、書いてみたいと思います。

 その上で、目的として事前に定義することは難しくても、副次的に生じてきている価値や、さらに進化を遂げている、新たなエンタープライズソーシャルの活用についても述べておきたいと思っています。

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安間 裕
[アバナード株式会社 代表取締役]

団体系保険会社、外資系商社を経て、1998年にアクセンチュアに入社。その後外資系広告代理店を経て2001年に再度アクセンチュアに入社、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズの設立に携わり2002年8月に同社代表取締役社長に就任。2009年アクセンチュア執行役員アウトソーシング本部長、2010年執行役員ビジネスプロセス・アウトソーシング統括本部長を歴任。副社長としてフューチャーアーキテクトの経営に携わった後、2014年4月にアバナードに入社。1982年明治大学文学部文学科フランス文学専攻卒。1959年生まれ。

ヒントはここにあった!先端ITで日本企業の未来を変える

IT業界のフロントランナーである筆者が、日本企業の経営やビジネスの最前線で働く人々に向けておくる連載第2弾。昨今のITで起きていることを、いわゆる「Buzz Word(はやり言葉)」としてではなくビジネスの言葉で解説。客観的データを基にした冷静な分析で、今日から仕事への意識を変えられるヒントを提供する。

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