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DOL特別レポート
2015年6月11日
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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

IoTでは「システム」が価値を生む
日本企業の「ハード重視」は危険
――日の丸IoTの成否(3)

 ところで、多くの人はアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「目玉おやじ」のことはご存じであろう。妖怪の弱みを解説し戦い方を指導することで、実際に戦う鬼太郎が妖怪に勝てるよう導くという重要な役割を果たしている存在だ。

 IoTが進展すると、身の回りのモノが連携することで全ての人が自分専用の「目玉おやじ」を持つようになるのではないか、と筆者は推測している。

 初めて訪れた街でも、さも地元の人が案内してくれるように目的地まで誘導してくれる。自分の好みに合わせたおいしい飲食店を紹介してくれる。スーパーに買い物に行くと、自宅の在庫を勝手にチェックして欠品リストを教えてくれる。お店のコンシェルジュのように自分好みのお勧め商品を教えてくれる。電車が混雑しているときには指定席に乗るよう勧めてくれる。(山手線では始まっているようだが)大きな荷物を持っている時は座れる車両に案内してくれる。

 「知っていたらこうしたのに…」と、その場に行って初めて分かる、後から知って後悔するといったことがないように身の回りの機器が連携し、目玉おやじのようにサポートしてくれるのがIoTなのではないだろうか。

IoTが進展したときに日本企業は
“ハードウェアの強み”を活かせるのか

 それでは、そうしたIoTが進展すると日本はどういう立場に置かれるのだろうか?

 ハードウェアの強みを活かして世界を席巻するのか、それともソフトウェアやシステムの強みを持つ欧米企業に席巻されてしまうのか?

第1回で述べた通り、このままでは後塵を拝すことになりかねないと筆者は考えている。第2回では「損して得とれ」の戦略が取れないことがその理由の一つであると述べた。

 しかし、原因はそれだけではない。

 「つながること」と「標準」の関係性について十分な理解がされているように思えないからだ。本シリーズの最終回である第4回では、パラダイムを変える大きな力を持つ標準について解説し、日本が取るべきアクションについて述べたい。

>>続編『日本発IoTの成否(4) メーカーの“囲い込み思想”で日本のIoTが取り残される』(6月12日掲載)に続きます。

世論調査

質問1 IoTが進展したとき、日本企業の「ハードウェアの強み」は活かせると思う?




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伊藤慎介 [株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長]

いとう・しんすけ/株式会社rimOnO(リモノ)代表取締役社長。1973年生まれ。京都大学大学院工学研究科卒業後、1999年に通商産業省(現、経済産業省)に入省。経済産業省では、自動車用蓄電池の技術開発プロジェクト、スマートハウスプロジェクト、スマートコミュニティプロジェクトなどの国家プロジェクトを立ち上げた後、2011~2013年には航空機武器宇宙産業課において航空機産業政策に従事。2014年7月に経済産業省を退官し、超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOをznug design根津孝太と共に設立。


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