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【特別企画】脱・勘とドンブリ経営

ファクトベースで検証する出店戦略〈6〉
コンビニの出店余力はどれくらい?

ダイヤモンド社クロスメディア事業局
【第6回】 2015年8月28日
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新規出店を成功させる第一歩は既存店の売上要因分析である。前回前々回に紹介した実地調査の方法から、通行量や動線といったミクロの視点に加え、動線、マーケット規模、商圏の質といったマクロの視点が重要であることを理解していただけたと思う。さらに、後者についてコンビニを例に出店余力を観察してみよう。

コンビニの国内総店舗数は飽和状態!?

――前回の最後に、小売業界における競合環境が変化しているという話が出ました。

榎本篤史
ディー・アイ・コンサルタンツ
取締役社長

 ドーナツ店とコンビニ、カフェとハンバーガーチェーンなどの組み合わせによって、コンビニ、ハンバーガーチェーン、ドラッグストアといったこれまでの括り方、業種や業態の境があいまいになりつつあるという話ですね。このような変化が小売業界にどのような影響を及ぼすか。

 最大の変化は、競合の範囲が広がることです。その台風の目が、コンビニであることは誰の目にも明らかでしょう。コンビニ業界は変化の速度がとても速く、新しいチャレンジをスピーディに展開する機動力もあるので、小売業界だけでなく、飲食業界にとっても脅威となっています。

 これをマクロの視点で分析してみましょう。

 コンビニの国内総店舗数は、かつては5万店が飽和水準といわれていました。現在、すでにそのレベルを超えているわけですが、2015年度の出店計画を見るとセブン-イレブンが約1,600店、ローソンとファミリーマートはともに約1,000店と、各企業ともまだ出店意欲は旺盛です。

 コンビニ業界では近年、レギュラーコーヒーやドーナツなど利益率が高い商品をレジの近くに配置する動きが目立ちます。また、新たな客層を取り込むため、ドラッグストアと融合した店舗の出店も相次いでいます。「コンビニエンス=好都合・便利」の名前通り、さまざまな業態の“いいとこ取り”をすると同時に、新たな機能を加えることで既存顧客の単価アップにつなげ、成長を続けているのです。

 右のグラフは東京都におけるセブン-イレブンの出店状況を示しています。ダウンロードしてご覧いただくと、人口と店舗数の相関が非常に高いことがおわかりいただけるはずです。

 このように、ナンバーワン企業は出店に関しても、ファクトを押さえ、原理原則に則り意思決定を行っています。出店立地だけで売上のすべてを語ることはできませんが、少なくとも「ファクト重視」という点で、セブン-イレブンの戦略は”徹底”されています。今後も同社の戦略から目が離せません。

▼≪セブン-イレブンのマーケット重視戦略≫はこちらからご覧いただけます▼

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