さて、Xさんのステージ2は、いわゆる進行がんの部類に入る。すでにがんが腸壁を突き抜けた状態で、開腹手術による腸管切除とリンパ郭清が必要だ。日本の手術レベルは非常に高く、しっかりリンパ郭清を行えば5年生存率は80%に達する。また特殊なケースを除き、勃起や射精といった性機能や自前の肛門も温存できる。

 最近は、再発予防効果を期待して術後に抗がん剤治療を行う場合もある。本来はリンパ節転移が明らかなステージ3以降が対象だが、飲む抗がん剤など、身体への負担が少ない薬の登場でステージ2でも試みられるようになった。大腸がんは比較的「おとなしい」がんだが、再発したとたんにタチが悪くなる。再発予防がかなえば完治率を90%台に乗せることも夢ではない。ステージ3でも抗がん剤の組み合わせをあれこれ変え、手術+抗がん剤で、さらに高い完治率を目指している。

 ただし、早期発見なら治療選択に悩むことなく、100%完治するのも事実。ところが、大腸がん検診率は3割に満たない。たかが検便(便潜血検査)と侮るなかれ。2日間続けて便を検査する2回法なら9割の大腸がんが引っかかる。

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