結婚予定または新婚の男性5人に1人が「性機能障害」…順天堂大の調査よりPhoto:PIXTA

 2023年に日本性機能学会が実施した全国調査(対象:20~79歳の男性、6228人)によると、日本人男性の勃起障害(ED)の有病率は30.9%で、およそ1400万人が「性交渉に十分な硬さではない」レベルのEDに悩んでいることが明らかになった。

 しかも、20~24歳の有病率が27%、25~29歳が22%と、20代が30~34歳の16.4%を上回り、関係者に衝撃を与えた。近年、男性不妊の原因としてEDや早漏・遅漏に代表される射精障害などの性機能障害が増えているからだ。

 順天堂大学医学部附属浦安病院の研究グループは、14年10月~18年6月に同院の関連施設で「ブライダル健診」を受けた男性719人(平均年齢35.5歳±6.5歳、平均体格指数22.8±3.0)に直接、面接を行い、自己申告による性機能障害の有病率を調査している。回答者の半数は結婚直前(3カ月以内)で、残りは新婚1年目だった。

 その結果、719人中の139人に性機能障害があり、内訳(重複あり)はEDが88人(12.2%)、射精障害が66人(9.2%)、「性欲が全く、あるいはほとんどない」とする性欲減退が35人(4.9%)だった。

 性機能障害のリスクを解析すると、加齢と肥満傾向に加えて、うつ症状が有意に関連することが明らかになった。

 研究者は子供を望みブライダル健診を受けるような男性でも、性機能障害や性欲減退があることを重視。仕事や経済的な不安に加えて、不妊治療のために性交するプレッシャーが精神状態をさらに不安定にする可能性とケアの必要性を指摘している。

 日本では22年4月に不妊治療の保険適用範囲が広がり、男性も採精検査や、無精子症に対する「精巣内精子採取術」などを受けられるようになった。

 このほか、EDについても一定の条件下でバイアグラとシアリスが保険で使用できる。早漏治療については世界的に短時間作用型の抗うつ剤が利用されているが、日本では未承認のため個人輸入に頼っているのが現状だ。

 妊活世代の性欲減退に関しては、刺激的な娯楽が簡単に入手できるが故に、相対的に性的な刺激に対する感受性が下がるとの説がある。妊活するならAV動画の視聴を封印してみるといいかもしれない。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)