• 悪材料は出尽くした

 アップルの2019年度予想株価収益率(PER)は12倍で、S&P500指数の14.2倍を下回る。1300億ドルのネットキャッシュを考慮に入れるとなおさら割安だ。

 本誌はここ2年にわたりアップルの浮沈を記事で取り上げてきた。本誌の主な主張は、iPhoneの精彩を欠いた製品サイクルがウォール街の予想に十分に織り込まれるまで投資家は待つべきだというものだ。2日にアップルが売上高見通しを引き下げたことを受けてウォール街は2019年度のiPhone出荷台数予想を11%下方修正した。これは、本誌が予想していた買い場の到来を意味している。

 ヘラー・ハウスのヘッジファンド・マネジャーを務めるマルセロ・リマ氏は、アップルは最近幾つかのテクノロジーで競争の後手に回っているものの、現在のバリュエーションは悲観的過ぎると指摘する。

 過去の下降サイクルとのもう一つの重要な違いは、アップルが株主還元の強化を約束しており、それが株価を下支えする可能性があることだ。クック氏は先週、アップルは「ネットキャッシュをやがてゼロにする」という目標を維持していると述べ、自社株買いの拡大または増配をほのめかした。

 RBCキャピタル・マーケッツのアミット・ダリヤナニ氏は、「新しい自社見通しは評価の基準をリセットするものであり、悪いニュースはなくなった。アップルは強靱(きょうじん)なバランスシートを備え、積極的な自社株買いを続けており、依然として保有すべき大型ハイテク株の中心的存在だ」と考えている。さらに同氏は、iPhoneの販売台数が今後数年にわたり横ばいとなった場合でも10%の増益率を達成できると指摘する。つまり、同社の利益は収益性の高いサービス部門と持続的な自社株買いの恩恵を受け続けている。

 アップルがiPhoneの販売を再び活性化させる可能性もある。同社は2019年後半に機能を改善した製品ラインアップを投入するだろう。だが、iPhoneの復活をけん引する可能性がより高いのは第5世代の通信技術(5G)だ。これは恐らく2020年か2021年のシナリオだが、投資機会が認識され始める時期はそれより早いかもしれない。

 株価の下落により、アップル株への投資で成功するための複数の方法が開けている。配当利回りは2%と高い。同社の予想PERが過去の平均である13.6倍に回帰すると想定した場合、株価は166.46ドルだ。1株当たり現金の27ドルを足し戻すと(ネットキャッシュを最終的にゼロにするという約束を踏まえると論理的なステップ)、同社株には直近終値の148.26ドルを31%上回る194ドルの価値があることになる。

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