――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  この2年間、世界はまず右派のポピュリストの台頭に、そして次に活力を取り戻した左派に揺さぶられ続けた。いずれも物事を不安定化する根深いトレンド、すなわち中道派支持層が減少していることの産物だ。  欧州連合(EU)離脱をめぐる英国の混乱や、米国の政府機関閉鎖が示す通り、中道派を支持する層の縮小は各国政府の実行能力を奪っている。さらに移民や貿易、気候変動といった世界共通の課題に立ち向かうのに必要な国際協力もむしばんでいる。