仲間が異動や出産でいなくなると、ドロンジョはすぐ2代目、3代目のグロッキーやワルサーを見つけ出してくるのだそうだ。おかげで悪玉トリオは永遠に不滅状態。職場の雰囲気は長年、陰湿そのものだという。
1人に嫌われると
全員から嫌われる?
実際、人類学者、リッチ・サヴィン・ウィリアムズ氏は、サマーキャンプに参加した子どもたちを観察し、女の子のいじめ方に次のような特徴を発見している。
「優位に立った女の子は序列の低い子どもが言ったことをわざと無視する。絶対に目を向けないようにして、その子がいないかのようにふるまうこともある」
「女の子が支配的な地位を得るための戦術は間接的な形をとる。たとえば『ナプキンであの子の口の周りを拭いてあげたほうがいいわよ』というのだ。一見相手を気遣っているようにみえながら、じつは周りにその子のだらしなさを印象づける結果になる」
「もっともよく使うのは、悪いうわさを広める――社会的に孤立させる――ことである」
横並び意識が強いとされる女性社会。そこで自分だけが孤立する精神的ダメージは大きい。つまり、女性が女性をいじめる場合、罵声やあからさまな脅し文句は必要ない、ということだ。極端にいえば、笑顔のままでも心理的に痛めつけることは十分できる。
とはいえ、女性の敵は女性ばかりではない。時には男性だって対象になることもある。
「職場の女性に嫌われないよう、立ち居振る舞いには十分気をつけています。1人に嫌われると女性全員から嫌われますからね」と話すのは鳥井和幸さん(経営コンサルタント・38歳)だ。
男性同士は、多少ウマが合わない相手でも、意見が同じならチームを組める。だが、相手が女性だとそうはいかないことが多い。一度ネガティブな感情を抱かれると、仕事に協力してもらえなくなる、という。
男性の宿命
「サル山の闘い」
ところで、男性のいじめ方にはどんな特徴があるのだろう。
ケンブリッジ大学心理学・精神医学教授 サイモン・バロン=コーエン氏は、著書「共感する女脳、システム化する男脳」(NHK出版)の中で「男性は、押しのけたり、叩いたり、殴ったり、といった直接的な攻撃を行うことが多い」と指摘する。もちろん、職場でそんな所業に及ぶ男性はまれだが、言葉の暴力は日常茶飯事にちがいない。



